アカガワ ヒロユキ   AKAGAWA Hiroyuki
  赤川 浩之
   所属   研究施設 研究施設
   職種   准教授
言語種別 日本語
発表タイトル もやもや病疾患感受性遺伝子RNF213:Genotype-phenotype correlation 臨床から病理まで
会議名 第 37 回吉岡彌生記念講演会(第364回東京女子医科大学学会例会)
学会区分 全国規模の学会
招聘 招聘
発表形式 口頭
発表者・共同発表者野村 俊介, 赤川 浩之, 北原 秀治, 山口 浩司, 川俣 貴一
発表年月日 2021/05/22
開催地
(都市, 国名)
東京
開催期間 2021/05/22~2021/05/22
学会抄録 東京女子医科大学雑誌 91(2),158-159 2021
概要 もやもや病疾患感受性遺伝子RNF213 と創始者変異p.R4810K が同定され,ホモ変異は若年発症や脳梗塞発症に有意に関連することが示されている.近年,RNF213遺伝子変異は,もやもや病だけでなく,類もやもや病・非もやもや病頭蓋内血管狭窄性疾患や,さらには一部の冠動脈や腎動脈狭窄との関連も示唆されている.本発表では,数年の当院からの報告をまとめ,新たな知見とともに報告する.当施設の症例においても,長期コホートにおけるもやもや病患者のgenotype-phenotype correlationを解析し,p.R4810K は有意に若年発症に関連していた(Cerebrovasc Dis, 2019).さらに,p.R4810K 以外のレアバリントに関連する重症例もあることを初めて症例提示した(J Neurosurg, 2018).また,甲状腺機能亢進症関連類もやもや病においても,RNF213 のp.R4810Kと他のレアバリアントも有意に病態に関連し(World Neurosurg, 2019),冠動脈狭窄,腎動脈狭窄とp.R4810Kホモ変異が関連している可能性を報告した(J StrokeCerebrovasc Dis, 2020).現在,一定数の母集団の中で,p.R4810K 以外のレアバリアントがどの程度臨床経過へ影響を及ぼすかはわかっておらず,p.R4810K 単独でバイオマーカーにすることは一定のリスクがあると考えている(J Child Neurol, 2020).今回,我々は全変異の臨床アウトカムへの影響を調べるために,小児もやもや病患者63 人においてRNF213 p.R4810K と他のレアバリアントを含むすべての変異に関してのgenotype-phenotypecorrelation を解析した.発症年齢15 歳以下のもやもや病患者63 例において,RNF213 遺伝子全コーディングエクソンのTarget Reseqence を行った.脳梗塞発症と長期脳卒中リスクは,p.R4810K ヘテロ変異単独/全変異なしに比較し,p.R4810K ホモ変異と他のレアバリアントで有意に高かった.従来言われていたRNF213 p.R4810K ホモ変異だけでなく,一部の他のRNF213 のレアバリアントも臨床経過に影響を与える可能性が示唆された.また,臨床アウトカムだけでなく,遺伝子変異と血管病理との関係についても報告する.