コオリヤマ シユンイチ   Kooriyama Shiyun'ichi
  郡山 峻一
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   助教
言語種別 日本語
発表タイトル 補足運動野症候群の臨床症状の特徴と腫瘍摘出範囲との相関
会議名 第39回日本脳腫瘍学会学術集会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎角田明子, 村垣善浩, 齋藤太一, 新田雅之, 都築俊介, 福井敦, 郡山峻一, 川俣貴一, 若林秀隆
発表年月日 2021/12/06
開催地
(都市, 国名)
神戸
開催期間 2021/12/05~2021/12
学会抄録 第39回日本脳腫瘍学会学術集会 プログラム・講演抄録集 206
概要 21:30~22:00 ポスター 26 リハビリ・機能回復・QOL
座長 浅野研一郎
Keyword: 補足運動野, リハビリテーション, 神経膠腫
背景】補足運動野症候群は術後重度の麻痺が急速に回復することが知られている一方、運動麻痺や高次脳機能障害の程度や回復までの期間にはばらつきがある。脳腫瘍患者のリハビリテーションには予測が重要であるが、困難な場合も多い。 【目的】補足運動野近傍の神経膠腫摘出例の臨床症状と摘出範囲を検証し、その特徴を明確にする。
【方法と対象】2017 年~2021年8月、当院で補足運動野近傍の摘出術を行った神経膠腫患者 17 例を対象とした。摘出範囲を補足運動野のみ、帯状回も含めた摘出、脳梁までも含めた摘出に分類し、術後の運動麻痺の程度、その後の回復状況、高次脳機能障害を合併した症例、についてそれぞれの関連を検証した。
【結果】対象者の年齢中央値 39 歳。男性 12 例 女性 5 例。局在 Lt9 例、Rt8 例。初発 14 例、再発 3 例。病理診断は WHO grade2:7 例、grade 3:7 例、Glioblastoma(以下 GBM)3 例であった。摘出率は全例 90%以上であった。術直後重度の麻痺を呈したのは 10 例。そのうち脳梁が残存している 4 例は数日~1 週以内には手指から上肢、下肢全体の随意性は改善し歩行を獲得した一方、脳梁を摘出した 6 例は術後 3 週以内には手指の改善が認められたが、回復は緩やかで 6 例中 3 例は 4週後に歩行獲得には至らなかった。術後、高次脳機能障害を呈したのは 9 例。全例、帯状回を摘出しており、2 か月後には 5 例で改善を認めた。Alien hand syndrome を認めたのは 6 例で、1 例を除き脳梁を摘出していた。15 例は自宅退院、2例は短期間の転院を経て自宅退院となった。11 例は社会復帰している。社会復帰していない 6 例中 3 例は GBM であった。
【結論】1、全例早期より機能回復の傾向を示したが、脳梁部の摘出例の回復は緩やかであった。2、帯状回の摘出例は一過性に高次脳機能障害が出現するが、ほとんどがリハビリテーションを経て社会復帰に至った。3、今後症例を重ね追加解析が必要である。