ムラガキ ヨシヒロ   Muragaki Yoshihiro
  村垣 善浩
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   客員教授
言語種別 日本語
発表タイトル 商用5Gを活用したモバイルスマート治療室における遠隔手術支援ソリューションの実際
会議名 日本脳神経外科学会第80回学術総会
主催者 一般社団法人 日本脳神経外科学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎吉光喜太郎, 堀瀬友貴, 孫瀟, 森浩輝, 西田浩孝, 青木祐也, 南田智昭, 油川雄司, 小原壯太郎, 北牧拓也, 川俣貴一, 正宗賢, 村垣善浩
発表年月日 2021/10/28
開催地
(都市, 国名)
横浜(WEB併催)
開催期間 2021/10/27~2021/10/30
学会抄録 日本脳神経外科学会第80回学術総会 プログラム・抄録集
概要 一般口演 043 手術支援2
2021-10-28 08:20 - 09:20 E会場 | 会議センター 4F 413
[座長] 石川 栄一(筑波大学脳神経外科)
東京女子医科大学のスマート治療室(SCOT)では2021年5月19日現在、悪性脳腫瘍を中心に171例の手術症例実績がある。SCOTでは手術室内の各機器がミドルウェア(OPeLiNK)を介してIoT化され情報が連続的にサーバに集約される。これにより単一アプリケーション上でデジタル化された手術情報が時間同期して統合・保存・配信され、従来困難であった多面的な意思決定が可能になる。また、手術中の重要なイベントも有機的に記録でき効果的な振返りが実現される。
我々はSCOTを可搬化し、「病院がくる」という概念を実現すべくNTTドコモの商用5G,およびクラウドダイレクトTMを活用し、遠隔手術支援を模擬したモバイルスマート治療室の実証実験を実施した。今回活用した商用5Gの周波数は3.7GHz帯、4.5GHz帯、28GHz帯である。本実証実験ではモバイルスマート治療室に収容された妊婦に対する超音波診断装置(株式会社日立製作所, ARIETTA Precision)を用いた処置を想定し、胎児モデルを用いて現場に居合わせた循環器医師が遠隔で産婦人科医の支援を受けながら処置を実施した。産婦人科医は医局より遠隔でコンベックスプローブの当て方を指示し、同時にモバイル治療室の超音波診断装置から送られてくる映像を戦略デスクで診ながら当該装置を遠隔制御にて操作し処置支援を実施した。モバイルスマート治療室側の映像情報、および超音波診断装置の制御情報のデータ量はそれぞれ20Mbps、0.2Mbpsであった。一方医局の戦略デスク側の戦略デスク遠隔制御、および超音波診断装置遠隔制御のデータ量はそれぞれ5Mbps、20Mbpsであった。 実証では、担当した医師からは情報の遅れや会話のやり取りに違和感は全く感じられず、互いがその場にいるように感じたと5Gの低遅延、広帯域性を実証できる所感を得たが、今後の普及拡大を目指すためには、通信のさらなる安定化と5Gエリア化の加速が解決必須の課題と考えられる。今後は、都市と地方の医療格差を補完し、派遣車両の手術を専門医が遠隔支援する場面を想定し開発を進めていく。