ナガシマ ヨウジ   Nagashima Youji
  長嶋 洋治
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   教授・基幹分野長
言語種別 日本語
発表タイトル 腎腫瘍の病理ー腎細胞癌 4組織型を主軸とした診断アルゴリズムと、新規・希少腎腫瘍の診断クルーー(日本病理学会 病理診断学賞受賞講演)
会議名 第67回日本病理学会秋期特別総会
学会区分 全国規模の学会
招聘 招聘
発表形式 口頭
講演区分 特別講演・招待講演など
発表者・共同発表者◎長嶋洋治
発表年月日 2021/11/05
開催地
(都市, 国名)
岡山
開催期間 2021/11/04~2021/11/05
学会抄録 日本病理学会雑誌 110(2),50 2021
概要 RCCを含む腎腫瘍はヘテロな腫瘍群である。腎癌取扱い規約(第5版, 2020年)ではRCCは14組織型に分類されている。本講演では実戦的な病理診断アルゴリズムを紹介する。
⓪非腫瘍性疾患、非腎実質性腫瘍の除外:IgG4関連疾患、黄色肉芽腫性腎盂腎炎腎間質性あるいは混合性腫瘍、小児腫瘍、腎盂癌や後腹膜肉腫、血液系腫瘍の腎実質浸潤、血管筋脂肪腫(特に類上皮性)、転移を除外する。
①淡明細胞からなる腫瘍:淡明細胞型腎細胞癌を主軸として、乳頭状構築を示す、または類洞状血管を欠く場合、淡明細胞乳頭状、MiT転座型腎細胞癌の可能性がある。
②乳頭状またはα-methylacylCoA racemase陽性腫瘍:乳頭状腎細胞癌を主軸に、粘液管状紡錘細胞癌、管状嚢胞癌などを検討する。構築が多彩で高異型度の場合はフマル酸ヒドラターゼ欠損性、透析腎発生例では後天性嚢胞腎随伴性腎細胞癌を考える。
③好酸性細胞性腫瘍:嫌色素性腎細胞癌、オンコサイトーマを主軸に鑑別する。多発例、両側例ではBirt-Hogg-Dube症候群の可能性を考える。コハク酸脱水素酵素欠損型腎細胞癌を見逃さない。④高度浸潤性腫瘍:集合管癌が主軸となるが、診断は他組織型を除外したのちに行う。紡錘細胞性変化、ラブドイド変化を伴う症例は基盤組織型に分類する。腎髄質癌は鎌状血球症に限って発生するが、globalization著しい今日、鑑別の対象となる。