マルヤマ タカシ
MARUYAMA Takashi
丸山 隆志 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 非常勤講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | Gliomatosis cerebriのMRS所見について |
会議名 | 日本脳神経外科学会 第79回学術総会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎大鷲悦子, 武井啓晃, 池亀由香, 三輪和弘, 矢野大仁, 伊藤毅, 横山 和俊, 篠田 淳, 丸山隆志, 村垣善浩 |
発表年月日 | 2020/10/15 |
開催地 (都市, 国名) |
岡山現地開催+Web 併催 |
学会抄録 | 日本脳神経外科学会 第79回学術総会 プログラム&抄録集 |
概要 | 一般口演・ポスター / ポスター2 悪性脳腫瘍 P-02-62
[目的] Gliomatosis cerebri (GC)はWHO2007において大脳3葉に及ぶ浸潤性腫瘍と定義されていたが、遺伝学的に不均質なものを含むためWHO2016では削除された。しかし、臨床では本症のような浸潤性格の強いgliomaにしばしば遭遇する。しかし組織学的にgrade II相当とされるGCとDiffuse astrocytoma (DA)について生物学的活動性を比較した研究は少ない。今回我々はメチオニン(MET)-PETとMR spectroscopy (MRS)の所見について両者を比較検討した。 [方法] 対象は2014年4月から2019年12月の期間において、当施設でMRI検査を行った脳腫瘍患者のうち、T2強調画像とFLAIR画像により診断されたGC8例(平均年齢51.6才、男女比5:3)とinsulo-opercular DA (IODA)7例(同40.3才、5:2)である。MRSをsingle voxel法にて行い、ROIを非造影病変のみに設定してNAA/Cho比、NAA/Cr比などを求めた。一方、MET-PETにてT/N比を測定した。両者の比較においてt検定を行った。 [結果]GCとIODAにおけるNAA/Cho比は各々0.9±0.5、0.5±0.4と有意差を認めなかったが、NAA/Cr比は1.4±0.5、0.9±0.4と有意にGC群で高値であった。一方、MET-PETにおけるT/N比は1.3±0.1、1.4±0.1と有意差を認めなかった(p<0.05)。 [考察]MET-PETにおけるT/N比が両者で有意差を認めなかったことから、生物学的活動性は同等と考えられた。NAA/Cr比はGC群で高かったことから、組織内に神経細胞が多く混在していることが示唆された。逆にIODA群では低かったことから、組織内には神経細胞が腫瘍細胞に侵食されている可能性が示唆された。これは星細胞腫が神経細胞の周囲に集積するシェーラーの二次構造の組織学的現象に由来する可能性が考えられる。GCとIODAでは生物学的活動性が同等でも、浸潤速度とこれに伴う周囲構造との構築に差が認められ、NAA/Cr比は両者を鑑別する一助となる可能性が示唆された。 |