カワマタ タカカズ   Kawamata Takakazu
  川俣 貴一
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   教授・基幹分野長
言語種別 日本語
発表タイトル StealthMergeシステム応用による小児悪性神経膠腫摘出部位別の病理組織学的検討
会議名 日本脳神経外科学会 第79回学術総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎藍原康雄, 千葉謙太郎, 小田侑一, 村垣善浩, 川俣貴一
発表年月日 2020/10/15
開催地
(都市, 国名)
岡山現地開催+Web 併催
学会抄録 日本脳神経外科学会 第79回学術総会 プログラム&抄録集
概要 一般口演・ポスター / 一般口演13 小児脳腫瘍 O-13-2
【目的】小児悪性腫瘍神経膠腫の摘出術の際、術野において腫瘍組織と健常組織との境界面を正確に認識することは極めて困難である。我々は、複数種の画像スライスをナビ上で同時表示した上、one viewに重ね合わせた画像のブレンド表示も可能とするStealthMergeシステムを応用し、摘出部位別の腫瘍病理学的所見を検証した。【症例】MRI(T1、T2,FLAIR,Gd)部位とメチオニン(MET)PET画像を個々にヒュージョン表し、特徴的画像部位別に摘出術を施行した小児悪性神経膠腫症例。【方法】光学式Stealthmergeシステム(Stealth Station S7)を用いて、CT(A)、MRA、メチオニンPET-CT、MRI(T1WI,T2WI,FLAIR)を同一画面上に表示し、腫瘍全体像の中で部位別画像所見の特徴を確認し病理所見を比較した。【結果】Gd造影本体部位は、組織学的に異型が強い腫瘍細胞が密に浸潤増殖、柵状壊死および微小血管増殖伴う組織所見であった。また、Gd造影部位の病変検体は、一部で軽度の腫瘍細胞浸潤(±~1+)を認めるinvasive front所見の傾向があった。一方、非Gd造影-MET高集積所見部位の摘出組織検体は、比較的密な腫瘍細胞の浸潤(1+~2+)を認めるが壊死性組織は少ないなどの特徴的所見を認めた。【結語】 StealthMergeシステムは、多種類の画像を比較しながら腫瘍切除の範囲状況などを術前のみでなく術中リアルタイムに確認することが可能であり、小児悪性神経膠腫摘出術において非常に有用であると考えられる。今後、術中MRIとMET -PET画像とのヒュージョンビューに基づく摘出部位別病理組織学的所見の比較検討から、高悪性度群の小児悪性神経膠腫摘出術において、摘出部位の術前シミュレーションなど実臨床へのフィードバックを期待する。