イセキ ヒロシ   Iseki Hiroshi
  伊関 洋
   所属   医学研究科 医学研究科 (医学部医学科をご参照ください)
   職種   特任顧問
言語種別 日本語
発表タイトル 脳溝自動命名ソフト「BrainVISA」の臨床活用-てんかん診断から覚醒下手術まで-
会議名 日本脳神経外科学会 第79回学術総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 シンポジウム・ワークショップ パネル(公募)
発表者・共同発表者◎田村学, Jean-FrancoisMangin:, 丸山隆志, 齋藤太一, 新田雅之, 都築俊介, 福井敦, 生田聡子, 正宗賢, 伊関洋, 川俣貴一, 村垣善浩
発表年月日 2020/10/17
開催地
(都市, 国名)
岡山現地開催+Web 併催
学会抄録 日本脳神経外科学会 第79回学術総会 プログラム&抄録集
概要 指定演題 / 横断的シンポジウム 8 私のソフトウェア活用 CSS08-4
【はじめに】神経膠腫摘出を目的に実施された覚醒下手術は1999年より2020年5月までに508例(平均40.0歳、内訳は左側390、男性325、初発325)を数える。脳機能マッピングを最小限かつ効果的に実施するための術前機能予測を目的として、術前MRIから脳回・脳溝を立体表示し自動で脳溝命名(labeling)を行うソフトウェア(BrainVISA, 共同演者のMangin氏開発による)を活用してきた。この脳溝命名のアルゴリズムは標準脳と対象脳における脳溝位置の解離度解析結果に基づいており、病巣の明らかでないてんかん原領域(皮質形成異常)を推定する解剖学的マーカーとしても注目され、その有用性について報告している(Neurosurgery, 2011)。今回は中心溝命名に着目し、覚醒下術中同定した「真の」中心溝と、ソフトウェアで術前「labelingした」中心溝についての位置精度を比較し、ソフトウェア活用の有用性を検討した。【方法】運動機能予測として、腫瘍摘出予定654例(2010.4-2017.10)で収集した術前volumetric MRIのうち、395例(左225、右168、正中病変1、小脳1)における脳溝をソフトウェアでlabeling表示し、中心溝を推定表示した。経頭蓋磁気刺激(nTMS)を用いた16例の術前運動野予測の結果と比較した。【結果】中心溝・腫瘍の立体表示シミュレーションにより正常脳機能野と腫瘍の位置関係把握及び皮質切開部位の計画に有用であった。16例で行った術前nTMSによる運動野予測部位は覚醒下手術での電気刺激同定可能例の72%(8/11)で一致した。177例の覚醒下手術のうち、術中に中心溝を同定できた134例(左107、右27)について、ソフトウェアを用いて術前labelingした中心溝と123例(91.8%)でほぼ一致した。【結語】標準脳構造を基に術前MRIから脳溝を同定するソフトウェアの精度評価を行い、中心溝同定において有用と考えられ覚醒下術中マッピングにおける脳機能部位同定に貢献した。脳構造を解析するソフトウェアは、脳発達に関わる疾患解析のみならず、脳機能部位同定に関わる臨床にも活用でき有用である。