ムラガキ ヨシヒロ
Muragaki Yoshihiro
村垣 善浩 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 客員教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 次世代手術室 (Hyper SCOT®) におけるOpeLiNK®を用いた情報統合手術の実際 |
会議名 | 日本脳神経外科学会 第79回学術総会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | シンポジウム・ワークショップ パネル(公募) |
発表者・共同発表者 | ◎都築俊介, 岡本淳, 村垣善浩, 丸山隆志, 齋藤太一, 新田雅之, 福井敦, 堀瀬友貴, 田村学, 川俣貴一 |
発表年月日 | 2020/10/16 |
開催地 (都市, 国名) |
岡山現地開催+Web 併催 |
学会抄録 | 日本脳神経外科学会 第79回学術総会 プログラム&抄録集 |
概要 | 指定演題 / ビデオシンポジウム 2 手術のセッティング 体位・映像・記録・機器… VS02-5
【背景】 現在の脳外科手術においては、種々の手術器具や術中診断・治療装置を駆使し、それらの統合情報を元にした術中戦略が重要となる。手術のリスク低減には執刀医の手技と摘出戦略は無論、様々な器具や装置がエラーなく使用できることが条件となる。新旧医療機器が混在する潜在リスクこそがエラーの主因と考え、これを低減し手術・手技の効果を向上させるために、我々はスマート治療室(SCOT®:Smart Cyber Operating Theater)を開発した。その根幹として各機器のネットワーク化された情報を活用するために、医療用ミドルウェアであるOpeLiNK®を開発した。異企業の20機器をリアルタイムに接続し、時間同期した情報を戦略デスクで統合表示することで、上記目的を達成し得る。 【方法】2019年10月のHyper SCOT導入開始から2020年5月までの8か月間に計68例の手術を経験した。内訳は男性42例、女性26例、平均39.2(5-81)歳、覚醒下18例、全身麻酔50例、光線力学療法併用16例、初発36例、再発32例、腹臥位5例であった。 【結果】MEP/SEP波形と各種モニタリング、Navigation画像と術中フローサイトメトリー(iFC)結果、術前画像や覚醒下手術ではタスク内容や患者の表情、顕微鏡および外視鏡画像(ハイビジョン)などが一画面に時間同期して戦略デスクに表示され、医療チーム全員がそれら情報を共有しつつ手術が可能であった。腫瘍境界から周囲白質のiFCの結果がNavigationと同期して表示され、高い摘出率を求めるコンセプトに合致した。MEPが低下した部位をタグ付けしてナビ上に表示し、記憶に頼らず要注意部位を可視化することでリスクを低減した。重要なポイントにコメントを記載する機能もあり、術後の振り返りや手術記録の作成にも役立ち、手術技術の向上や教育にも有用と考えられた。 【結論】様々な医療機器の情報は各手術に有用だが、それらをリアルタイムに時間同期統合し戦略デスクで表示することで、機能温存と積極的摘出を高い次元で兼ね備えた手術が可能になると考えられた。 |