ツヅキ シユンスケ   Tsudzuki Shiyunsuke
  都築 俊介
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   助教
言語種別 日本語
発表タイトル SCOTが描く未来の手術室
会議名 日本脳神経外科学会 第79回学術総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 シンポジウム・ワークショップ パネル(指名)
発表者・共同発表者◎村垣善浩, 岡本淳, 齋藤太一, 栗栖 薫, 後藤 哲哉, 藤井雄, 本郷 一博, 新田雅之, 丸山隆志, 都築俊介, 福井敦, 堀瀬友貴, 楠田佳緒, 川俣貴一, 正宗賢, 伊関洋
発表年月日 2020/10/17
開催地
(都市, 国名)
岡山現地開催+Web 併催
学会抄録 日本脳神経外科学会 第79回学術総会 プログラム&抄録集
概要 指定演題 / 横断的シンポジウム6 CSS06-1 脳神経外科手術室最前線
我々は外科医の新しい目と脳と手を創り、精密誘導治療の実現を目指している。2000年より、新しい目(術中MRIとナビゲーション、マッピング/モニタリング、術中迅速診断/フローサイト)と脳(戦略デスク)をもち情報誘導手術を実行するインテリジェント手術室を導入し2023例を施行、1700+例の神経膠腫手術では平均摘出率90%、30日以内死亡0.05%と良好な成績であった。
 スマート治療室SCOT(Smart Cyber Operating Theater)は、従来滅菌作業を行うための空間であった手術室を部屋自体が一つの医療機器となる治療室に変換させたものであり、機器をパッケージ化、ネットワーク化、そしてAI化ロボット化を行う。それぞれ2016年広島大学Basic版、2018年信州大学Standard版、2019年東京女子医大Hyper版として具現化され、臨床研究は100例以上施行した。
 20企業40機器がミドルウェアOPeLiNKによってIoT化され、多種情報が時間同期され生データとして4Kモニターの戦略デスクに提示され、術中振り返りや画面書き込みも可能となった。主術者が最も多く最も早い情報を得ていた従来手術と異なり、発生時間と空間位置データがタグ付けされた高品質多種のデータを閲覧でき、術者の記憶が術中イベント想起の中心である従来手術と異なり、履歴や発生イベントを術中に確認できる新たな手術意思決定形態となり、現在AI支援システムを開発中である。開発した生体信号のデータ構造の共通化技術は、健康医療のデータ基盤となる可能性も秘めている。
 Cyber空間と現実空間をIoTで結ぶSCOTシステムは、術中MRIのみならず血管撮影/透視装置や内視鏡/手術ロボットシステム等の他の診断治療モダリティとの連携は原理上可能である。今後集束超音波等の新規ロボット治療含めて、様々な疾患や多種情報が必要な治療法で用いられ1病院1SCOTの時代がくる。更に、5Gあるいは5+G等の大容量低遅延通信により、ほぼリアルタイム遠隔支援が可能になり、遠い将来Moonshotとして遠隔手術が可能となるだろう。