ウエタ ヨシフミ   UETA Yoshifumi
  植田 禎史
   所属   医学部 医学科
   職種   講師
言語種別 日本語
発表タイトル 一次運動野脳梗塞マウスモデルの一次感覚野での層特異的な感覚情報処理障害に関する研究
会議名 日本脳神経外科学会第78回学術総会
主催者 一般社団法人 日本脳神経外科学会
学会区分 国際学会及び海外の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎福井敦, 尾崎弘展, 植田禎史, 村垣善浩, 川俣貴一, 宮田麻理子
発表年月日 2019/10/09
開催地
(都市, 国名)
大阪
学会抄録 日本脳神経外科学会第78回学術総会 22 2019
概要 デジタルポスター 33
脳虚血 基礎研究
2019 年10 月9 日(水) 15:00-16:05  
DP-8 会場½ 大阪国際会議場10F 控室10-1
座長:西村真樹(国立循環器病研究センター脳神経外科)
近年脳梗塞後片麻痺のリハビリテーションに反復磁気刺激などを使った neuromodulation が盛んに行われている。しかし、メタアナリシスの検討では臨床的に推奨されるレベルにはまだ達していない。これまでは、脳梗塞の機能代償には脳梗塞側大脳半球と健側大脳半球間の機能的結合の調節が主に注目されていた。しかし、近年では脳梗塞側大脳半球内の皮質間結合の重要性も強調されている。実際一次運動野脳梗塞は一時的な同側の感覚障害を引き起こし、運動障害からの回復やリハビリテーションの効果に大きな影響を与える。しかしながら、その感覚障害の発生機構については不明であった。本研究では、マウスの一次運動野 (vM1) に限局した脳梗塞モデルを用いて、脳梗塞後の一次感覚野 (vS1) での in vivo 電気生理学記録を行った。その結果、ヒゲの触覚刺激に対する神経活動の時間分解能(Temporalcoding)が脳梗塞後の急性期には、vS1 の皮質全層にわたり有意に低下した。興味深いことに、亜急性期では、vM1 から密な結合を受ける深い5層のみ回復を示さず他の層は回復を示した。シミュレーション実験の結果から、この Temporal coding の低下は、vM1 からの抑制性入力の低下に起因することが示唆され、モデル上で梗塞後の vS1 の神経活動に抑制性入力を入れると、Temporal coding は回復した。以上の結果から、運動野脳梗塞によって、vM 1からの vS 1への皮質間の抑制入力が低下して、Temporal coding が低下した。また、その回復過程においても、運動野との結合関係の強い深い5層と他の層では違いがみられた。運動野と感覚野の皮質間の結合関係が、感覚情報処理の神経機構回復へ影響していることが示唆された。