カワマタ タカカズ   Kawamata Takakazu
  川俣 貴一
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   教授・基幹分野長
言語種別 日本語
発表タイトル 自家腫瘍ワクチンによる初発膠芽腫第 III 相比較試験―保険収載をめざして
会議名 日本脳神経外科学会第78回学術総会
主催者 一般社団法人 日本脳神経外科学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎新田雅之, 村垣善浩, 石川栄一, 丸山隆志, 生田聡子, 齋藤太一, 都築俊介, 福井敦, 松村明, 川俣貴一
発表年月日 2019/10/10
開催地
(都市, 国名)
大阪
学会抄録 日本脳神経外科学会第78回学術総会 14 2019
概要 一般口演 46
臨床開発
2019 年10 月10 日(木) 18:15-19:15  
O-4 会場½ 大阪国際会議場11F 会議室1102
座長:上羽哲也(高知大学脳神経外科)致死性の高い膠芽腫は手術による最大限の摘出と放射線化学療法を行っても5年生存率 10% 前後と極めて予後不良で、新たな治療法の開発が望まれる。その高い浸潤性から局所治療には限界があり、自己の免疫機構を利用した免疫療法は理論的にも期待される。自家腫瘍ワクチン (AFTV) は、ホルマリン固定した腫瘍組織を用いて作成し、腫瘍抗原ペプチドを認識させて細胞障害性T 細胞を誘導するワクチンである。我々は 2004 年から初発膠芽腫患者を対象とした AFTV を用いた 3 つの臨床試験を行ってきた。特に 3 つ目の試験は、二重盲検での多施設共同第 IIb/III 相試験で、症例登録 63 例、全体では有意差が出なかったが(OS中央値:試験群 25 ヶ月、プラセボ群 31 ヶ月)、全摘出群で3年生存率 65%、OS 央値が未達という極めて良好な成績を得た。この試験は、試験群がプラセボ群に劣っていなければ第 III 相試験に進むというデザインだったため、以下の第 III 相試験に進むこととなった。対象患者:病理診断を得ている膠芽腫患者で、造影病変の全摘出を受け、標準的局所放射線治療・化学療法を受ける患者、80 症例治験デザイン:二重盲検、登録期間 3 年、観察期間 18 ヶ月層別因子:光線力学療法 (PDT) の有無、施設、年齢、KPS投与方法:標準放射線化学療法終了後、維持化学療法と並行して、計 9 回ワクチンを皮内投与、投与間隔は 7 日間。主要評価項目:FAS 解析対象患者の無増悪生存期間 (PFS)副次的評価項目:FAS 解析対象患者の 18 ヶ月 PFS、OS、ITT解析対象症例の PFS、OS、原疾患死亡症例の OS第 IIb 試験の結果をふまえ、登録患者は全摘出できた患者とし、また実臨床での後方視解析にて、光線力学療法 (PDT) と AFTV併用患者の治療成績が良好だった事を鑑みて、層別因子に PDTを加えた。