ニツタ マサユキ
Nitsuta Masayuki
新田 雅之 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 助教 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | リアルタイム PCR を用いた神経膠腫の術中遺伝子診断の有用性について |
会議名 | 日本脳神経外科学会第78回学術総会 |
主催者 | 一般社団法人 日本脳神経外科学会 |
学会区分 | 国際学会及び海外の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | シンポジウム・ワークショップ パネル(公募) |
発表者・共同発表者 | ◎郡山峻一, 新田雅之, 増井憲太, 丸山隆志, 齋藤太一, 小森隆司, 村垣善浩, 川俣貴一 |
発表年月日 | 2019/10/10 |
開催地 (都市, 国名) |
大阪 |
学会抄録 | 日本脳神経外科学会第78回学術総会 7 2019 |
概要 | シンポジウム14
悪性脳腫瘍に対するゲノム医療と課題【総合討論あり】 2019 年10 月10 日(木) 17:15-19:15 D 会場½ 大阪国際会議場12F 特別会議場 座長:西川亮(埼玉医科大学国際医療センター脳脊髄腫瘍科) 座長:廣瀬雄一(藤田医科大学脳神経外科) 座長:若林俊彦(名古屋大学脳神経外科) 【背景】近年の網羅的遺伝子解析をもとに、2016 年 WHO 分類において glioma の病理診断に初めて遺伝子情報を取り入れた大幅な改訂が行われた。分子分類に基づいたそれぞれの subtype と予後との相関についても多数報告されている。従来神経膠腫手術においては腫瘍摘出率向上による生命予後向上と機能温存の両立が求められており、現在当院では術中に得られる病理組織及び遺伝子情報をもとに手術戦略を決定している。我々はリアルタイム PCR を用いて腫瘍の遺伝子背景を術中に評価しており、今回その有用性を報告する。【対象】 2017 年 3 月から 11 月まで手術中に得られた 58 検体の腫瘍検体を用い、リアルタイム PCR で術中に IDH1/2 遺伝子変異及び 1p/19q 共欠失の有無を評価した。IDH1/2 遺伝子変異は HRM を用い変異の検出を行い、1p/19q 共欠失については surrogatemarker として期待される TERT promotor 領域の変異について SNP genotyping での変異検出を行った。また、2016 年 WHO 分類に基づく遺伝子診断をされた検体において、リアルタイム PCR での診断精度を評価した。【結果】それぞれの遺伝子変異の検出は、術中組織から DNA 抽出及び解析まで約 90 分で結果を出す事が可能であった。IDH1/2 のHRM の正確率は免疫染色及び術後 sequence の結果と照らし合わせると 97.3%(72/74 例)、TERT の SNP genotyping と sequenceは 94.3 %(50/53 例)と病理標本から得られる遺伝子変異とほぼ相違のない結果となった。また、リアルタイム PCR で得られた診断の正診率は 88.9%(88/99 例)であった。【結語】リアルタイム PCR を用いて手術中に遺伝子診断を行える事ができる事が判明した。正診率は非常に高く、短時間で評価できるため、遺伝子背景をもとにした摘出範囲決定が術中に可能である。 |