マルヤマ タカシ
MARUYAMA Takashi
丸山 隆志 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 非常勤講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 初発低悪性度神経膠腫摘出術後の非治療介入 236例を用いた予後関連因子の検討 |
会議名 | 日本脳神経外科学会第78回学術総会 |
主催者 | 一般社団法人 日本脳神経外科学会 |
学会区分 | 国際学会及び海外の学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎生田聡子, 丸山隆志, 齋藤太一, 新田雅之, 都築俊介, 福井敦, 川俣貴一, 村垣善浩 |
発表年月日 | 2019/10/11 |
開催地 (都市, 国名) |
大阪 |
学会抄録 | 日本脳神経外科学会第78回学術総会 28 2019 |
概要 | デジタルポスター 122
神経膠腫の病態 2019 年10 月11 日(金) 8:40-9:40 DP-8 会場½ 大阪国際会議場10F 控室10-1 座長:岩立康男(千葉大学脳神経外科) 低悪性度神経膠腫の予後において年齢、組織型、神経症状の有無等によりハイリスクに分類される一群は追加治療が考慮される傾向にある。一方で一定の条件下では経過観察または摘出のみの治療選択もある。本報告では当院で腫瘍摘出または生検後、追加治療を行わず経過を追った症例をモデルに、放射線化学療法以外に予後に関連し、さらに改善できる因子が存在するかを検討した。【方法】 2000-2017 年、組織診断により WHO 分類 grade2 神経膠腫と診断された 16 才以上の初発 344 例のうち、後治療未施行238 例を対象。年齢、初発症状、発症から手術までの期間、機能野の隣接、摘出率、組織診断、分子診断に関し、生存期間差の有無と (Kaplan-Meier 法)、関連ある因子を抽出した(Cox hazardmodel)。(追跡期間中央値 75 [2.3-225]ヵ月)【結果】平均 39 才、男女比 55:45、発症時から手術までの期間中央値 6.7 [1-227]ヵ月、摘出率中央値 95 [1-100]%、病変発見の契機は incidental 62 例(26%)、てんかん発作 39(16%)、巣症状25(11%) であった。全体の 10 生率 82%、PFS90 ヵ月)、1p19q欠損と IDH 変異による病理診断再分類が 193 例 (81%) で可能であり、oligodendroglioma が 112 例 (53%) を占めた。分子診断を含む組織診断 (n=193) 間の比較では生存期間に差が見られたが (10 生率 OD90%, DA IDH-mt79%, DA IDH-wt75%,p<0.001)、多変量解析では 90% 以上の摘出率と 1p19q 欠損が抽出された (各々 RR 0.23[0.09-0.66],p<0.007.042, RR0.41[0.16-0.97],p=0.042)。90% 以上摘出群 (n=210) では術前症状の有無、発症から手術までの期間、組織診断、1p19q 欠損の有無、IDH 変異の有無による生存期間の差はみられなかった。【結語】放射線化学療法を除く、腫瘍摘出後の低悪性度神経膠腫に対する予後改善因子は、摘出率の高さと 1p19q 欠損であった。特に 90% 以上摘出した例の予後は、術前症状の有無、発症から手術までの期間、分子診断において有意差はなく、diffuseastrocytoma であっても 10 生率 75% 以上の長期生存が可能である。 |