カワマタ タカカズ
Kawamata Takakazu
川俣 貴一 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 教授・基幹分野長 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 無症候性頭蓋内腫瘍の治療戦略におけるメチオニン PET の有用性 |
会議名 | 日本脳神経外科学会第78回学術総会 |
主催者 | 一般社団法人 日本脳神経外科学会 |
学会区分 | 国際学会及び海外の学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎都築俊介, 村垣善浩, 丸山隆志, 新田雅之, 齋藤太一, 福井敦, 小原亘太郎, 村上理人, 田村学, 生田聡子, 篠田淳, 川俣貴一 |
発表年月日 | 2019/10/11 |
開催地 (都市, 国名) |
大阪 |
学会抄録 | 日本脳神経外科学会第78回学術総会 25 2019 |
概要 | デジタルポスター 117
LGG の画像診断 2019 年10 月11 日(金) 13:15-14:10 DP-7 会場½ 大阪国際会議場10F 控室10-2 座長:神部敦司(鳥取大学脳神経外科) 【目的】臨床において無症候性、非造影の脳実質内腫瘍性病変は稀ならず経験する。神経膠腫(低/高悪性)、脱髄、炎症、虚血、非腫瘍性病変など鑑別に苦慮する。我々は以前メチオニン PET を用いて T/N 比が 1.9 未満の症例は経過観察が選択肢となり、1.9以上では急激な悪化に関する無増悪期間が有意に短かかった(P< 0.0001)と報告した (J Neurooncol.2016)。2014 年以降我々は MRS を参考に、T/N 比 1.9 以上で基本摘出術の方針で適応決定を行ってきた。今回急性増悪や不要な手術の有無を中心に後方視的に検討した。【方法】 2014 年から 2018 年の 5 年間に治療戦略決定のためメチオニン PET を施行した連続 448 例を検討した。448 例中再発および造影病変を除外した MRI 上の無症候性の FLAIR 高信号は 158 症例でこれらを対象とした。11C-MET を静脈内投与し、腫瘍内および正常脳内の集積比を算出した(T/N 比)。経過観察の場合外来での 3 か月毎の MRI で FLAIR 高信号増大および症候、造影病変出現などで手術を選択した。【結果】 158 症例の T/N 比は平均で 1.69 (0.75-4.75) であった。158 例のうち手術群 (経過観察後に手術に至った症例も含む) は120 例(76%)、経過観察群が 38 例(24%)であり、手術群、経過観察群の各 T/N 比は平均で 1.82 (1.01-4.75)、1.30 (0.75-1.79)で有意差をもって手術群が高値を示した(p < 0.05)。手術群の病理診断は全例脳腫瘍であり、G2 が 65 例、G3 が 52 例、他 2例 (germinoma/ganglioglioma)、cavernoma1 例であった。経過観察群では FLAIR 高信号の不変か緩徐な増大が多かったが、縮小・消失も 3/38 例 (7.9%) に認めた。観察中の悪性転化や腫瘍内出血等の予期せぬ増悪を示したのは 0 例であった。【結論】連続 448 例の無症候性腫瘍性病変に対し、メチオニンPET(T/N 比 1.9 以上) および MRS から手術適応を決定した。手術群は全例脳腫瘍であり、経過観察群の急性増悪は 0 例と、現時点で適切な意思決定が行われたと考える。一方、T/N 比 1.9未満であっても脳腫瘍を否定できないため、3 か月毎の MRI 撮影が必要であると考える。 |