ナカヤマ ユウキ
Nakayama Yuuki
中山 祐樹 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 助教 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 弓部置換における Open Stent Graft の効果 |
会議名 | 第72回日本胸部外科学会定期学術集会 |
主催者 | 日本胸部外科学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎菊地千鶴男, 森田耕三, 市原有起, 齋藤博之, 宮本真嘉, 磯村彰吾, 中山祐樹, 澤真太郎, 寶亀亮悟, 藤田薫, 小林慶, 日野阿斗務, 中前亨介, 吉田尚司, 池原大烈, 林遼太郎, 池田諒, 廣田理峰, 塩﨑悠司, 新浪博士 |
発表年月日 | 2019/11/01 |
開催地 (都市, 国名) |
京都市 |
概要 | *ポスター 34
A 型解離 2 弓部置換(TAR)を行う場合、遠位側吻合の確実な止血効果と吻合時間の短縮にエレファントトランク法が有効である。最近では Open stent Graft(OSG)が多用されるようになった。遠位弓部の嚢状瘤や B 型解離の遠隔期瘤径増大では術後に TEVAR を予定する二期的手術を容易にし、A 型解離では術後に偽腔の Remodeling を期待できる。当科では特に A 型解離は OSG を併施した TAR を標準術式としている。OSG の効果について検討した。 【対象】 2017 年 7 月より 2019 年 4 月に 49 例の TAR を施行しこのうちすでに下行大動脈置換術後である 2 例を除く47 例に OSG を用いた。 【結果】真性瘤 23 例(平均年齢 75 歳)、A 型解離 16 例(平均年齢 58 歳)、慢性 B 型解離 8 例(A 型解離 HAR 術後を含む:平均年齢 60 歳)で男女比に差はなかった。全例を 25-28 ℃の低体温、循環停止下に順行性脳分離体外循環を併用、遠位側の断端形成は内側に OSG を挿入し外側にフェルトで固定するだけとした。正中切開と同時に左鎖骨下動脈に人工血管を吻合し、これを送血及び脳分離体外循環に利用する。最後に縦隔内に引き込み 4 分枝人工血管と吻合する。基部置換を真性瘤に 1 例、AVR を真性瘤に 1 例、CABG を A 型で 2 例、 B 型 1 例、真性群に 2 例行った。循環停止時間は A 型平均 56 分、B 型 74 分、真性群 54 分。大動脈遮断時間は A 型 97 分、B 型 130 分、真性群 98 分であった。使用した OSG のサイズ中央値は A 型 27-90mm、B 型 25-12mm、真性群 31-9mm であった。在院死は無し。対麻痺も認めなかった。脳梗塞を A 型 2 例、B 型に 1 例認めた。A 型の 9 例(56 %)、B 型の 5(62 %)で偽腔が残存した。これに対し A 型群の 3 例、B 型群の 2 例で追加 TEVAR を行った。 【結論】 A 型解離は全身状態不良で救命を優先すべきものと、高齢で解離が上行大動脈に限局した症例は HAR としそれ以外はすべて TAR としている。夜間の緊急手術では TAR を標準術式とすることは困難となるが OSG の使用で大動脈吻合を視野の良い位置で行え、より循環停止時間と止血時間が短縮された。B 型解離では血栓化した偽腔が真腔を圧排し OSG が細めになる傾向がある。手術に際してはあらかじめ二期的 TEVAR を考慮に入れ、OSG はあまりグラフト長を長くせず口径の大きめのものを選択する。吻合時に人工血管は頚部分枝がなるべく心臓側になるように心がけている。OSG の市販から 4 年となり遠隔成績が散見されるが、当院における OSG の使用は概ね良好な成績であった。 |