ヒノ アトム
Hino Atomu
日野 阿斗務 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 助教 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 慢性大動脈解離に対する偽腔閉塞デバイスの 10 年成績 |
会議名 | 第72回日本胸部外科学会定期学術集会 |
主催者 | 日本胸部外科学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎東隆, 横井良彦, 道本智, 磯村彰吾, 小林慶, 日野阿斗務, 中前亨介, 新浪博士 |
発表年月日 | 2019/10/31 |
開催地 (都市, 国名) |
京都市 |
概要 | *ポスター 10
B 型解離 1 背景慢性大動脈解離においてステントグラフトにより中枢エントリーを閉鎖することは偽腔の部分的な縮小が期待出来るものの遠隔期においてリエントリーからの吹き上がりで偽腔が拡大してくる症例を経験する。これに対して偽腔を直接閉塞させる手技やデバイスが考案され臨床応用されている。我々は Kobell らが Candy-plug テクニックを発表する以前の 2009 年にプロトタイプの Najuta ステントグラフトを用いた偽腔閉塞デバイスを考案し臨床応用を行ってきた。方法 2009 年から 2019 年の 10 年間に 10 例の慢性大動脈解離症例(年齢 64 ± 10 才、6 男, 4 女)に対して同治療を施行した。8 例は A 型大動脈解離発症の急性期に上行~弓部大動脈の人工血管置換術を施行されており、2 例は B 型大動脈解離に対して保存加療を施行された。すべての症例で慢性期にステントグラフトにより中枢エントリー閉鎖を施行されている。これらの症例に対して偽腔閉塞デバイスの留置を行い術前、術後、および 1 年毎に CT 検査を行い偽腔の縮小率を計測した。結果すべての症例で偽腔の急速な縮小を認めた。術後早期の偽腔径の縮小率平均は 11.2 % ± 6.5 %であり、4 年目まで有意な縮小を認めた。平均縮小率は 1 年で 9 % ± 6.4 % 、2 年で 9.7 % ± 8.9 % 、3 年で 1.4 % ± 1.6 %、4 年で 0.2 % ± 0.4 %であった。初回症例は 10 年経過しているがすべての症例で偽腔の再拡大を認めていない。考察今回我々が考案した偽腔閉塞デバイスは内骨格、外グラフトの構造をしている上に患者の解剖に合わせた骨格を選択することが可能なため不整な偽腔内腔にもフィットさせることが可能であった。カスタムメイドの利点として図 1 のように偽腔由来の分枝を閉塞させずに効果的に偽腔を閉塞することが可能であり、良好な遠隔成績につながったと考えられた。 |