シヨウダ モリオ
Shiyouda Morio
庄田 守男 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 寄附部門教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 心臓植込みデバイス感染の診断とその対応 |
会議名 | 第67回日本心臓病学会学術集会 |
主催者 | 日本心臓病学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
招聘 | 招聘 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 特別講演・招待講演など |
発表者・共同発表者 | ◎庄田守男 |
発表年月日 | 2019/09/14 |
開催地 (都市, 国名) |
名古屋市 |
概要 | *教育講演 14
心臓植込みデバイスのうち,経静脈アプローチにより心内リードを挿入するデバイス (ペースメーカ,植込み型除細動器,心臓再同期治療デバイス) は,感染管理が重要である.なぜならば,血行性の心内感染だけではなく,皮下のデバイスポケット感染が全身性感染を惹起する頻度が高いからである.また,最近開発されたリードレスペースメーカは皮下ポケットがなく感染頻度は低いが,一旦心内感染を起こすとその摘出が困難である.デバイス感染の管理は予防,診断,治療からなる.植込み手術は短時間,止血を十分に,リード離脱などに対する早期介入を避けるという手技的な注意点はもちろんであるが,将来の感染に備えて抜去しやすいリードを選択し,抜去し易い留置方法で植込むことも重要である.また経過観察中に感染が疑われた場合には抗生剤を使用する前に血液培養を行うことは必須であり,同時にポケット部位の注意深い観察と軽食道心エコーによる感染性心内膜炎の診断を行う.デバイス感染と診断された場合には,2017 年 HRS コンセンサス,2018 年 JCS/JHRS ガイドラインの推奨レベルに基づいて治療を行うが,原則的には全システム(デバイスと全リード) の摘出と長期抗生剤投与が必要である.しかしリード抜去手術が日本で薬事承認/保険償還されてまだ 10 年足らずであり,デバイス感染症患者に対する under-treatment が問題である.リード抜去をしないで完全治癒が得られる可能性は極めて低く,再発を繰り返す度に重症化し生命予後が悪くなることを知るべきである.従って,唯一の治療手段は可及的速やかな全システム摘出術であり,リード抜去手術の臨床的重要度は大である.最近は様々なリード抜去関連ツールが承認され,30 年以上の長期間留置されたリードでも経皮的に抜去出来る可能性は高い.今回の教育講演では,デバイスやリードの選択,術式の注意点,感染の診断法,リード抜去を中心とする治療について詳説する. |