ジユウジヨウ ケンタロウ
Jiyuujiyou Kentarou
重城 健太郎 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 急性心不全患者における入院時 IL-6 濃度と心臓死および非心臓死についての検討 |
会議名 | 第67回日本心臓病学会学術集会 |
主催者 | 日本心臓病学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎沼田まどか, 山田隆弘, 春木伸太郎, 南雄一郎, 重城健太郎, 石田一世, 溝渕景子, 松浦純也, 田中友佳子, 渡邊正之介, 萩原誠久 |
発表年月日 | 2019/09/14 |
開催地 (都市, 国名) |
名古屋市 |
概要 | *一般演題(口演):研究から学ぶ 26
心不全 予後(2) 背景:インターロイキン 6(IL-6) は,造血や液性免疫の制御に関わるサイトカインの 1 つである.IL-6 は慢性心不全において重要な役割を果たすことは知られているが急性心不全 (AHF) における予後的意義はあまり知られていない.よって本研究でAHF 患者の入院時 IL-6 濃度と心臓死・非心臓死との関連を明らかにすることを目的とした. 方法:2014 年 9 月から 2018 年 1 月までに CCU へ入床した 357 例の AHF 患者を対象とし入院時に血漿 IL-6 濃度を測定していない 118 例を除外した.血漿 IL-6 濃度を測定した AHF 入院患者 239 例について解析した. 結果:AHF 患者の入院時 IL-6 濃度の中央値 [四分位範囲] は17.0 [8.0-39.0] pg/ml であり観察期間中央値 229 日の間に死亡した 37 例の IL-6 濃度は生存例よりも高値であった (48.2 [14.2-119.8] pg/ml vs.14.7 [7.5-34.4] pg/ml; P<0.001).ROC曲線を用いて算出した IL-6 の全原因死亡に対する曲面下面積(AUC) は 0.700 でありカットオフ値は 31.2 pg/ml であった (感度 64.9%, 特異度 73.3%; P<0.001).入院時 IL-6 高値 (≥31.2 pg/ml) の患者は低値 (<31.2 pg/ml) の患者に比して,C 反応性蛋白高値,アルブミン低値であったが,左室駆出率,収縮期血圧および B 型ナトリウム利尿ペプチド値に有意差を認めなかった.IL-6 高値の患者の全原因死亡率は,低値の患者よりも有意に高く,ベースラインで高度に有意差を認めた因子で補正した多変量解析の結果,入院時 IL-6 高値は独立した生命予後予測因子であった (調整ハザード比 2.53, 95% 信頼区間 1.18-5.46; P=0.017).死因毎に分けた検討では,入院時 IL-6 高値は非心臓死 (ハザード比 6.52, 95% 信頼区間 2.32-18.3; P<0.001)において,心臓死 (ハザード比 3.36, 95% 信頼区間 1.35-8.37; P=0.009) よりも強く生命予後を予測した. 結論:入院時 IL-6 濃度が AHF 患者のリスク層別化において有用である可能性が示された.また IL-6 高値が心臓死よりも非心臓死に対してより強く予後を予測することが示唆された. |