イソムラ シヨウゴ
Isomura Shiyougo
磯村 彰吾 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 助教 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 大動脈弁置換術後の弁機能不全によって心不全に難渋したが,Valve-in-Valve による TAVI により心不全が改善した一例 |
会議名 | 第67回日本心臓病学会学術集会 |
主催者 | 日本心臓病学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎小林献, 今村泰崇, 廣部航平, 野本美智留, 小木曽正隆, 中澤まゆい, 野村秀仁, 菊池規子, 鈴木敦, 磯村彰吾, 道本智, 山口淳一, 新浪博, 萩原誠久 |
発表年月日 | 2019/09/13 |
開催地 (都市, 国名) |
名古屋市 |
概要 | *一般演題(ポスター):ケースから学ぶ 14
症例報告 弁膜症 弁膜疾患 大動脈弁狭窄症 (AS) に対する大動脈弁置換術 (AVR) は治療のゴールドスタンダードである.また,弁置換術に利用する人工弁として生体弁は広く用いられている.しかし,生体弁は長期使用により変性する可能性があり,AS や大動脈弁閉鎖不全症(AR) もしくはその両方を併発することが知られている.こうした患者で,開胸での AVR を再度行うことがあったがその際には高齢であり再開胸での手術がハイリスクとなっていることをしばしば臨床で経験してきた.現在生体弁置換術後に Valve-inValve(ViV) による経カテーテル的大動脈置換術 (TAVI) を行えるようになってきており,これまでは生体弁置換術後の心不全であるがハイリスクで手術できない症例であったが,今回 ViV による TAVI により心不全が改善した一例を経験したため報告する.症例は 89 歳男性,2006 年に胸部絞扼感と意識消失を認め緊急入院となり,経胸壁心臓超音波検査にて中等度大動脈弁狭窄を認めた.冠動脈造影では#2 75%,#4PD 75% ,#6 75%,#7 90% の二枝病変を認めたため生体弁にて大動脈弁置換術と冠動脈バイパス手術を行った.2017 年より階段昇降時に息切れが出現し,経胸壁心臓超音波検査にて中等度大動脈弁閉鎖不全と置換後大動脈弁の最大流速 4.0 m/s と重症 AS を認め,大動脈弁狭窄兼閉鎖不全症と診断した.2018 年より心不全にて 1 年間に計 5 回の心不全増悪による入退院を繰り返すようになった.89 歳と高齢であるため Valve-in-Valve による経カテーテル的大動脈弁置換術を行い,術後より心不全症状,クレアチニン,BNP の著明な改善を認めた.大動脈弁置換術後の成績も改善し,また患者の高齢化が進んでおり,今後は高齢での弁置換術後の弁機能不全が増えてくることが予想される.造影剤を使用せずに施行できる治療であることも利点であり,開胸手術がハイリスクな高齢患者に対しては ViV による TAVI を一つの選択肢として考えていく必要がある. |