ムラガキ ヨシヒロ
Muragaki Yoshihiro
村垣 善浩 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 客員教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 中枢神経系原発悪性リンパ腫に対する標準治療と再発時治療 |
会議名 | 日本脳神経外科学会第72回学術総会 |
学会区分 | 国際学会及び海外の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | シンポジウム・ワークショップ パネル(公募) |
発表者・共同発表者 | ◎宮北康二, 成田善孝, 大野誠, 有田,英之, 米澤元樹, 角,美奈子, 稲葉浩二, 丸山隆志, 新田雅之, 村垣善浩, 渋井壮一郎 |
発表年月日 | 2013/10/17 |
開催地 (都市, 国名) |
横浜市 |
学会抄録 | 日本脳神経外科学会第72回学術総会 プログラム・抄録集 |
概要 | 2C-SY15-03 シンポジウム:中枢神経系原発悪性リンパ腫の治療
【はじめに】中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)の標準治療は、組織診断確定後に高用量 Methotrexate療法(MTX)+放射線治療(RT)を行うことであるが、多くが再発し、治療に難渋す る。当院でのPCNSLに対する標準治療、再発時治療による成績の評価をおこない、それぞれの 問題点を検討した。【対象・方法】2004年4月以降、PCNSLの診断で、国立がん研究センター中 央病院で治療を行った72例(男性40例、女性32例、26歳~84歳、中央値63歳、KPS 30~90、中 央値70)を対象とした。標準治療として、MTXを2007年12月までは3コース、2008年1月からは5 コース行い、引き続き放射線治療を行った。再発時にはMTX抵抗性の症例以外は、MTXの再投与 を、2009年11月からはRituximabを加えた再投与(Rit-MTX)を、造影病変消失まで3~8コース行 った。【結果】72例のうち68例で標準治療を行い、生存期間中央値(MST)は、47.1ヶ月であ り、MTX 3コース群24例で48.7ヶ月、5コース群44例で47.1ヶ月であった。68例の初回再発まで の期間中央値(TTP1)は28ヶ月で、3コース群、5コース群ではそれぞれ17ヶ月、32.2ヶ月であっ た。21例に再発治療を行い、二度目の再発までの期間中央値(TTP2)は、全21例で10.2ヶ月であ りMTX12例、Rit-MTX9例では、それぞれ10.2ヶ月、12.9ヶ月であった。再発治療20例のうち11 例で、さらに追加治療を行い、MTXもしくはRit-MTXを9例で使用した。9例の三度目の再発まで の期間中央値(TTP3)は、9.8ヶ月であった。再発治療でのKPS評価は、治療前60の1例が40とな った以外は、腫瘍再発による悪化をのぞき、終末期まで60以上が維持出来た。【結語】PCNSL に対する標準治療は確立しているが、MTXの投与回数、放射線治療の時期など未解決の問題が ある。再発時治療におけるMTX再投与は、他に代わる治療がない現状では選択するべき治療で あるが、白質脳症の危険性には、十分な配慮が必要である。 |