ツルタ トシヒサ
Tsuruta Toshihisa
鶴田 敏久 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 小児低悪性度神経膠腫の予後因子としてのVEGFR2 遺伝子発現とPI3KAKT(mTOR)経路の活性化 |
会議名 | 日本脳神経外科学会第72回学術総会 |
学会区分 | 国際学会及び海外の学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎藍原康雄, 鶴田敏久, 江口盛一郎, 天野耕作, 川俣貴一, 村垣善浩, 岡田芳和 |
発表年月日 | 2013/10/18 |
開催地 (都市, 国名) |
横浜市 |
学会抄録 | 日本脳神経外科学会第72回学術総会 プログラム・抄録集 |
概要 | 3P-P106-10 ポスター:グリオーマ 基礎 1
【目的】小児脳腫瘍の中で最も頻度が高い神経膠腫はWHO分類により低悪性度(LGG:Grade I, II)と高悪性度(HGG:Grade III, IV)に分類される。LGG の一部は再発を繰り返すため付加 的治療の必要性が議論されているが、摘出術のみで長期生存例も多いため、全てに付加的治療 が必要とは言えない。我々は小児LGG の予後因子の検索を進めているが、VEGFR2 遺伝子発現 を中心とした最近の知見を報告する。【対象及び方法】症例は0-18 歳の神経膠腫36 例 (Grade I-13、II-9、III-6、IV-7)。摘出腫瘍組織より総RNA 抽出し、TaqMan 法を用いて VEGFR2、PLCg1、PKCb、mTOR 各遺伝子発現の定量を行った。【結果】VEGFR2 遺伝子発現は LGG(VEGFR2/GAPDH : 0.35 ± 0.34)に比較し、HGG(0.40 ± 0.35)では高かった。LGG 22 例中3 例が再発したが、非再発例(0.24 ± 0.15)に比較し、再発した3 例(1.33,1.25, 0.60)が最も高かった。VEGFR2 シグナル伝達下流の遺伝子発現に関してはVEGFR2 とPLGg1 遺 伝子発現(P=0.002)、PLCg1 とPKCb 遺伝子発現(P=0.005)は相関したが、VEGFR2 とPKCb 遺伝子発現(P=0.74)に直接的な相関は認めなかった。mTORはLGG、HGGともに高発現例を多く 認めた。【考察】VEGFR2 遺伝子発現が小児LGG の予後と深く関わることが示唆され た。VEGFR2 からのシグナル伝達にはPLC γ 1 からPKC βへの経路が憶測されたが、VEGFR2と PKCb 遺伝子発現に直接的相関が無いことから、他のシグナル伝達経路の関与も考えられ た。VEGFR やAKT(mTOR) には、多くの分子標的療法薬が臨床応用されており、再発LGG の予後 不良例に応用出来る可能性が示唆された。 |