ニツタ マサユキ
Nitsuta Masayuki
新田 雅之 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 助教 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 診断に苦慮し2度の定位生検を要したCNS Lymphomatoid granulomatosis (LYG) の1例 |
会議名 | 日本脳神経外科学会第72回学術総会 |
学会区分 | 国際学会及び海外の学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎今中康介, 丸山隆志, 新田雅之, 安田崇之, 反田茜, 平孝臣, 竹田信彦, 村垣善浩, 岡田芳和 |
発表年月日 | 2013/10/18 |
開催地 (都市, 国名) |
横浜市 |
学会抄録 | 日本脳神経外科学会第72回学術総会 プログラム・抄録集 |
概要 | ポスター:悪性リンパ腫 診断
【はじめに】Lymphomatoid granulomatosis (LYG) はリンパ網内組織の増殖をきたす血管中心 性、血管破壊性の疾患である。通常肺を侵すことが多く、中枢神経系原発の症例は稀である。 中枢神経原発のLYGの特徴は、全身性LYGと異なりEBV感染と関連なくT cellが主体の細胞浸潤 であり、全身性LYGの中枢神経浸潤に比し予後良好である等である。我々は、意識障害・左下 肢の脱力で発症した両側基底核の中枢神経原発LYGを経験したので報告する。 【症例】高血圧、狭心症、網膜中心静脈閉塞症、未破裂脳動脈瘤クリッピング術の既往のある 60歳男性。進行する意識障害と、左下肢脱力にて発症。頭部MRI上、右尾状核から視床にかけ てFLAIRで高信号域を認め、Gdで淡く造影された。病変より脳定位生検術を施行したが、T cell、B cellの浸潤を背景としたreactive gliosis以外には有意な所見が得られなかった。各 種腫瘍マーカー、自己抗体、MBP、オリゴクローナルバンドは全て陰性、EBVを含むウイルス感 染も否定的であり経過観察となった。その後対側の基底核にmethionine PETの集積を示す造影 病変が出現したため、再度脳定位生検術を施行。病理所見では、血管周囲に細胞異型を示さな い小型リンパ球の高度浸潤を認め、大部分がCD3(+),CD4(-),CD8(+)であり、集簇部分に一致し てMib-1陽性を示した。PCR-SSCPではTcRγの遺伝子再構成は認めなかったが、組織学的には CNS LYGに合致する所見であり、TcRδなど違う部位での遺伝子再構成が示唆された。全身検索 をおこなったが肺や腹腔内には病変を認めなかった。 【考察・結語】1回目の生検で特異的な所見が得られず診断に難渋したCNS LYGの1例を経験し た。LYGに特異的な穿通枝の線条造影所見が得られ、メチオニンPET高集積や、2回の生検が有 用であった。 |