ヒノ アトム
Hino Atomu
日野 阿斗務 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 助教 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 内腸骨動脈温存腹部ステントグラフト内挿術-テクニックとその変遷 |
会議名 | 第47回日本血管外科学会学術総会 |
主催者 | 日本血管外科学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
発表者・共同発表者 | ◎道本智, 東隆, 横井良彦, 磯村彰吾, 小林慶, 日野阿斗務, 中前亨介, 新浪博士 |
発表年月日 | 2019/05/23 |
開催地 (都市, 国名) |
愛知県名古屋市 |
学会抄録 | 日本血管外科学会雑誌 28(Supplement),75 2019 |
概要 | *会長要望演題 4
EVAR における内腸骨動脈血流温存の意義・適応 【目的】腹部大動脈瘤を伴う腸骨動脈瘤や孤立性腸骨動脈瘤に対するステントグラフト治療において、内腸骨動脈の温存はいまだに議論が分かれるところである。当科では臀筋跛行などの虚血症状を危惧し、Iliac Branched Endoprosthesis(IBE)や VIABAHN の導 入後、積極的に内腸骨動脈を温存している。当科における内腸骨動脈温存の治療戦略とその変遷、早期成績について検討した。 【方法】当科では腹部大動脈瘤を伴う腸骨動脈瘤、あるいは孤立性総腸骨動脈瘤に対しては 1; IBE の適応症例では IBE 使用、IBE 適応外症例では初期は 2; AFX をメインボディとし AFX レッグを外腸骨動脈、VIABAHN を内腸骨動脈に留置する Sandwich 法、現在は 3; AFX レッグを開窓し VIABAHN を内腸骨動脈に留置する fenestration 法を治療戦略としている。また内腸骨動脈瘤は 4; ネックがあれば下臀動脈塞栓し、内腸骨動脈から上臀動脈まで VIABAHN 留置し瘤を exclude する方法、5; ネックがなければ下臀動脈塞栓し、外腸骨動脈に Excluder IBE レッグ、内腸骨動脈から上臀動脈まで VIABAHN 留置する Sandwich 法を治療戦略としている。 2017年 11 月から 2018 年 10 月までの腹部大動脈瘤を伴う腸骨動脈瘤 12 例、総腸骨動脈瘤 (内腸骨動脈瘤の合併含む)5 例、内腸骨動脈瘤10 例のうち 1; 4 例、2; 5 例、3; 4 例、4; 6 例、5; 3 例を対象とした (平均 73 歳)。内腸骨動脈を温存しなかった 5 例はいずれも高齢(平均 82 歳)で上臀動脈の run off の悪い症例であった。 【結果】全例、臀筋跛行などの虚血症状は認めなかった。Patency はフォローアップ中に 1; で IBE 内腸骨動脈レッグ閉塞を 1 例認めたが、虚血症状は認めなかった。Endoleak は 2; で gutter leak1 例、3; で Excluder IBE レッグ留置例に type 3 endoleak 2 例認めた。いずれも少量でありフォロー中の瘤径拡大は認めていない。内腸骨動脈レッグが閉塞した症例は総腸骨動脈瘤の壁在血栓が多く、比較的 run off が悪い症例であった。type 3 endoleak を認めた症例は、開窓した穴に Excluder IBE レッグを留置した症例でVIABAHN 留置例では endoleak は認めなかった。 【結論】内腸骨動脈温存ステントグラフト内挿術の早期成績は良好であった。内腸骨動脈レッグ閉塞症例でも症状を認めなかったことから、術後早期に開存していれば虚血症状は出現しないことが示唆されたが、壁在血栓が多く、run off が悪い症例は適応を検討する必要がある。また、 Excluder IBEレッグは VIABAHN よりも開窓した穴とのフィティングが悪いことが示唆され、今後更なる検討が必要である。 |