ハギワラ ノブヒサ   HAGIWARA Nobuhisa
  萩原 誠久
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   客員教授
Language Japanese
Title 重症虚血肢に対する経皮的血管形成術中に前脛骨動脈がblow out ruptureし、bail outに難渋した症例
Conference 第66回日本心臓病学会学術集会
Promoters 日本心臓病学会
Conference Type Nationwide Conferences
Presentation Type Poster notice
Lecture Type General
Publisher and common publisher◎海老原卓, 中尾優, 田中一樹, 大槻尚男, 山口淳一, 萩原誠久
Date 2018/09/07
Venue
(city and name of the country)
大阪市
Summary *一般演題(e-ポスター) 11 / 症例報告 心血管インターべンション 1
症例は71歳男性。右第一趾の潰瘍を主訴に来院した。ABI 0.88/0.75でありRutherford分類5、Fontain分類Ⅳの重症虚血肢の診断に至り、カテーテル治療となった。右鼠径動脈から順行性に4.5F Parentを挿入し下肢造影を行うと、右前脛骨動脈(ATA)100%、右後脛骨動脈(PTA)100%であった。まずはPTAに対して治療を試みたが、高度石灰化のためバルーンが通過せず血管拡張は不可能と判断し、ATAの治療に移行した。ATA閉塞は長区間で石灰化も強いため、intraluminalのwiringは困難で両方向性にGladius wireを用いてknuckle wire techniqueで、途中sub-intimal spaceを通過したもののwirngに成功した。Commandに変更しATA中部をUltraverse 2.0mmにて拡張したが、十分な血流が得られずより末梢の足背動脈の高度狭窄の治療も必要であった。足背動脈をCrossperio 2.0mmにて拡張を試みたが石灰化が強くバルーンは通過しなかったため、抜去しようとしたがバルーンにワイヤーがトラップされた。バルーンとワイヤーを一体のまま抜去したところ、強い下肢痛があり直後の造影ではATA中部から血管外への出血を認めた。ただちに用手圧迫しCruiseでATAに再度wiringし、ATA近位部をCrosperio 3.0mmで拡張した。鼠径部より脂肪を採取し、CX-Iを用いて脂肪塞栓を行ったが裂け目が大きいため止血できなかった。STRIKE Targetコイルを用いて止血する方針とし、ATA近位部にTarget 3.0/60, 3.5/80を留置した。ATA近位部からの血流は消失したが、側副血行路経由で血管外への漏出が続くため、破裂部直上までワイヤリングしTarget 3.0/100, 2.5/40を留置した。結果、漏出は認めなくなった。血管破裂の原因としてはwire exit portより手前のワイヤーがたわんでおりワイヤーが変形、折れ曲がり、血管を傷つけたと思われた。今回、ATAへのEVT中にblow out ruptureを起こしbail outに難渋した症例を経験したので報告する。