タムラ マナブ   Tamura Manabu
  田村 学
   所属   研究施設 研究施設
   職種   准教授
言語種別 日本語
発表タイトル 運動野グリオーマの摘出術における覚醒下手術・経皮質 MEP モニタリング併用の有用性
会議名 日本脳神経外科学会第77回学術総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎齋藤太一, 村垣善浩, 丸山隆志, 田村学, 新田雅之, 都築俊介, 川俣貴一
発表年月日 2018/10/10
開催地
(都市, 国名)
仙台市
概要 (背景)運動野グリオーマは術後重篤な運動障害のリスクがあり、摘出困難と考えられてきた。我々は 2005 年より難易度の高いこの領域の腫瘍に対しても覚醒下手術と経皮質 MEP モニタリングの併用により積極的に摘出術を行ってきた。今回この領域の腫瘍に対する摘出方法、手術成績を呈示するとともに、術後運動障害に関わる因子についても検討を行った。(方法)対象は 2005 年~2017 年までに当院で摘出術を行った運動野グリオーマ 30 例。平均年齢 40 才、男性 23 例、女性 7 例。全例覚醒下手術にて自発運動を確認しながら、経皮質 MEP のモニタリングを併用し摘出を行った。術後の運動機能障害は、Stable, Declined(Mild,Moderate, Severe)の 4 段階で評価し、Moderate, Severe を日常生活に支障を来す障害と定義した。術 1 週間後、6 ヶ月後の運動障害の程度を評価し、術 6 ヶ月後の運動障害の程度と相関する因子について検討を行った。(結果)30 例中 28 例では経皮質 MEP で有効な波形が得られなかった。平均摘出率は 93 %。術 6 ヶ月後の運動機能は、Stable20 例、Mild 7 例、Moderate 2 例、Severe 1 例であり、日常生活に支障を来す障害は 3/30 例(10%)に認めた。術 6 ヶ月後の運動障害に相関した因子は術中自発運動の低下、経皮質 MEP50%以上の低下、術後MRI での虚血巣の有無であった。術中自発運動の低下を認めなかった症例は 6 例であり、全例 MEP 低下の有無に関わらず術 6 ヶ月後の運動障害の程度は Stable であった。術中自発運動の低下を認め、経皮質 MEP50 %以上の低下を認めなかった症例では、2/10 例(20%)においてのみ Declinedを認めた。術中自発運動の低下を認め、経皮質 MEP50 %以上の低下を認めた症例では、8/12 例(67%)において Declined 認めた。(結語)覚醒下手術による自発運動のモニタリングと経皮質 MEPによる神経生理学的モニタリングは相補的な関係を有しており、運動野グリオーマの摘出に有用であり、積極的な摘出に寄与した。
一般口演 8
グリオーマ:覚醒下手術
2018 年 10 月 10 日(水) 10:00-11:00
F 会場  仙台国際センター 会議棟 3 階 白橿 1
座長:丸山 隆志(東京女子医科大学脳神経外科)