イセキ ヒロシ   Iseki Hiroshi
  伊関 洋
   所属   医学研究科 医学研究科 (医学部医学科をご参照ください)
   職種   特任顧問
言語種別 日本語
発表タイトル 小児グリオーマ患者に対する VR 映像を用いた覚醒下手術の不安軽減に向けた試み
会議名 日本脳神経外科学会第77回学術総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎堀瀬友貴, 糟谷祐輔, 高田一成, 西智之, 高橋亜希, タイパリーンマキタウノ, 西原政利, 木田等理, 有田浩之, 尾崎眞, 伊関洋, 正宗賢, 村垣善浩
発表年月日 2018/10/12
開催地
(都市, 国名)
仙台市
学会抄録 日本脳神経外科学会第77回学術総会 プログラム・抄録集 31
概要 デジタルポスター 92
グリオーマ:放射線治療・画像
【目的】女子医大では年間約 150 症例の悪性神経膠腫(グリオーマ)の手術を行っており、患者の予後を保つために術中に言語・運動機能を検査しながら腫瘍を摘出する覚醒下手術も実施している。グリオーマは成人に多く発症しているが、10 代の小児症例も少なくない。しかしながら、小児患者に対する覚醒下手術では、成人と比べて精神的な成熟度や状況把握能力が低いため、術中覚醒後に安定した状態で手術を進めることは難しい。そこで、小児グリオーマ患者を対象に VR(仮想現実)を用いて覚醒下手術に対する不安を軽減するシステムを提案した。【方法】提案の VR システムは、スマートフォン(Galaxy S7,SAMSUNG)と専用ヘッドセット(Gear VR, Oculus VR)、ヘッドフォン(QuietComfort 25, BOSE)で構成される。スマートフォンを装着したヘッドセットを頭に被り、専用アプリで映像を再生するだけで VR 映像を見ることができ、あたかもその場にいるような臨場感を与えることができる。再生映像は360 度 VR カメラ(OZO CAMERA, NOKIA)で撮影しており、全方向の映像と音声の記録が可能である。本カメラを車椅子に固定し、手術室前室での本人確認から手術室入室までの流れと、手術台での麻酔導入や術中覚醒後の機能検査タスクの様子を患者目線で撮影した。術前に小児患者に VR 映像を見てもらうことで、手術室内の様子や手術当日の流れを事前に把握でき、手術や手術室に対する不安軽減に役立つと考えられる。【結果・考察】覚醒下手術の適応となった 15 歳の小児グリオーマ患者(左前頭葉、退形成性上衣腫)に対して VR システムの利用を試みた。VR 映像の視聴前後で小児患者に手術と手術室に対する印象を尋ね、提案システムの有用性を検証した。VR 映像を見たことで手術に対する印象が視聴前に比べて改善し、実際の手術室を見てイメージがついたという感想も得た。本システムはグリオーマに限らず、診療科を越えて様々な手術での活用が期待でき、今後は小児外科の看護師と連携して利用を進めていく。