カワマタ タカカズ
Kawamata Takakazu
川俣 貴一 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 教授・基幹分野長 |
|
言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 頭蓋底髄膜腫における腫瘍栄養血管塞栓術の役割と限界 |
会議名 | 第30回日本頭蓋底外科学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎江口盛一郎, 松岡剛, 川俣貴一 |
発表年月日 | 2018/07/13 |
開催地 (都市, 国名) |
東京都文京区 |
学会抄録 | 第30回日本頭蓋底外科学会プログラム・抄録集 162 |
概要 | 【目的】髄膜腫の摘出術前に行う腫瘍栄養血管塞栓術(TAE)は出血量軽減と手術時間短縮の点で有用性が報告されている。しかし頭蓋底髄膜腫の栄養血管は中硬膜動脈(MMA)以外に上行咽頭動脈(APhA), 正円孔動脈(AFR), Inferolateral trunk (ILT), Meningohypophysial trunk (MHT)など脳神経を栄養する血管も含まれており, 必ずしも安全にTAEが行えるわけではない。本研究では頭蓋底髄膜腫におけるTAEの役割と限界に関して検討した。
【対象/方法】2013年4月~2018年4月の期間に当院で頭蓋底髄膜腫に対してTAEを行った11症例を対象とした。女性5例, 年齢中央値は57(IQR 13)歳, 腫瘍部位は蝶形骨縁 4, 前床突起 1, テント 3, 錐体斜台部 1, 中頭蓋底 2であった。塞栓物質にはPolyvinyl alcohol, Embosphere, Coilsを使用した。 【結果】MMAは全例で栄養血管であり, 3例でMHT(のテント動脈)が, 1例で後硬膜動脈 (PMA)と後大脳動脈の硬膜枝が, 1例でAPhAとAFRが栄養血管となっていた。塞栓できた血管は主にMMAであり, 内頚動脈の枝であるILTとMHTは塞栓しなかった。有害事象として1例でTAE中に部分痙攣を発症し, 1例で治療後に視野障害が生じた。術中, 深部からの栄養血管が塞栓されているため内減圧時の出血軽減ができ, 腫瘍軟化により内減圧操作も容易となった。 【結論】頭蓋底髄膜腫に対するTAEは有効であると考えられるが, 術前に塞栓可能な血管であるか十分な検討を要する。 |