フルタニ ヨシユキ   Furutani Yoshiyuki
  古谷 喜幸
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 尿中細胞からiPS細胞を調製
会議名 第54回日本小児循環器学会総会・学術集会
主催者 日本小児循環器学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎羽山恵美子, 古谷喜幸, 川口奈奈子, 勝部康弘, 島田光世, 大路栄子, 松岡瑠美子, 稲井慶, 中西敏雄
発表年月日 2018/07/05
開催地
(都市, 国名)
横浜市
概要 *ポスターセッション13
心血管発生・基礎研究 1

【背景】 患者 induced pluripotent stem cell (iPSC)から分化誘導した心筋細胞は、直接得ることの難しい心筋細胞などに代わる in vitro心疾患モデルとして有用である。樹立当初皮膚生検により得られる線維芽細胞を用いてiPSCは調製されたが、近年侵襲のより少ない血液細胞( T細胞や不死化 B細胞)に、山中因子をセンダイウイルスやエピソーマルベクターを用いて導入し調製する方法が確立された。我々は侵襲なく得られる尿中の細胞に着目し、これから iPSC を調製する方法を検討した。【方法】 ヒト尿から細胞を遠心分離し、ヒドロコルチゾン,ヒト上皮成長因子, ウシ胎児血清,エピネフリン,インスリン,トリヨードサイロニン,トランスフェリンを含む DMEM培地を用いて初代培養細胞を得た。定量 PCR法により増殖した細胞の特徴を調べ、電気穿孔法により、山中因子を尿由来細胞に導入し、 iPSCをフィーダーフリー培養により誘導した。【結果・考察】 尿中の細胞を培養し、約1週間で細胞コロニーを複数検出した。コロニーを一旦単細胞として培養を継続し、2週間程度で増殖細胞を得た。定量 PCR法によりこれらの細胞は、主に腎上皮細胞に相当するとの結果を得た。この細胞に、パルス電気刺激を与え, OCT3/4, SOX2, KLF-4, c-MYC, LIN28, p53DDが入ったエピソーマルベクターを導入した。 StemFit02培地を用いたフィーダーフリー培養により、約3週間で iPSC様増殖細胞を得た。定量 PCR法によりこの細胞では NANOG等の多能性マーカーの発現が亢進していることを認めた。現在多能性マーカー抗体を用いた確認実験を進めている。【結論】 尿から約2週間で増殖性上皮細胞が得られ、さらに約3週間で iPS細胞コロニーを得た。非侵襲の尿検体から、簡便・迅速に iPSCが得られることから、本法の今後の活用が期待される。