タケウチ ダイジ   TAKEUCHI Daiji
  竹内 大二
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   講師
言語種別 日本語
発表タイトル 先天性心疾患患者における房室結節リエントリー頻拍
会議名 第54回日本小児循環器学会総会・学術集会
主催者 日本小児循環器学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎谷口 宏太,豊原啓子, 竹内大二, 稲井慶, 杉山央, 庄田守男
発表年月日 2018/07/05
開催地
(都市, 国名)
横浜市
概要 *一般口演06
電気生理学・不整脈 1

【背景】先天性心疾患(CHD)患者における房室結節リエントリー頻拍(AVNRT)の報告は少なく、不明な点も多い。術後症例などでは電気生理学検査(EPS)/アブレーション(CA)に特殊なアプローチを要することもある。【目的】 CHD患者において、 AVNRTの形式、 CA時のアプローチの方法、成績について検討する。【方法】2006年3月以降に EPS/CAを施行した CHD患者のうち、 AVNRTと診断された30症例、38手技を後方視的に検討した。【結果】平均年齢21.6歳、男女比14:16、 EPS施行回数は平均1.27回。心形態診断は ccTGA 8例、 ASD 6例、 TOF 4例、 SRV 4例、 AVSD 3例、 MA 2例、 DORV 2例、 d-TGA 1例であり、解剖学的特徴は AV discordant(AVD) 10例、 common AV valve(CAVV) 4例、 Asplenia 2例、 Polysplenia 1例(重複あり)であった。術後症例は20例で、 Fontan術(含 TCPC) 7例、心房スイッチ術 2例(含ダブルスイッチ 1例)であった。AVNRTの形式は、 slow/fastのみが12例(AVD 0例、 CAVV 0例、 isomerism 0例) fast/slowのみが7例(AVD 4例、 CAVV 2例、 isomerism 2例)、 slow/slowを含むものが11例(AVD 6例、 CAVV 2例、 isomerism 1例)であった。最終的な CA成績は、成功 22例(成功率73%)、不成功 4例(Fontan術後 2例、 AVSD心内修復術後 1例、ccTGA未手術 1例)、 CA非施行 4例(SRV 3例、 ccTGA 1例)、合併症なし。経大動脈アプローチを要した5例(心房スイッチ術後 2例、 Fontan術後 3例)は Fontan術後の1例のみ不成功、 Fenestrationを通した2例(Fontan術後1例、 AVSD心内修復術後 1例)は2例とも不成功で、その他の Fontan術後3例は CA非施行であった。【結論】正常心とは異なり、 slow/fastの比率が低く、 AVD・ CAVV・ isomerismのいずれかを認める時にその傾向が顕著であった。経大動脈アプローチの成績は良好であった一方、 Fenestrationを通した症例の成績は不良であった。房室ブロックのリスクと治療の必要性の比較検討を要する場合がある。