マルヤマ タカシ   MARUYAMA Takashi
  丸山 隆志
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   非常勤講師
言語種別 日本語
発表タイトル 術中フローサイトメトリー(iFC)による頭蓋内悪性リンパ腫(PCNSL)と神経膠芽腫(GBM)の鑑別
会議名 日本脳神経外科学会第76回学術総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎郡山峻一, 新田雅之, 塩山,高広塩山,高広, 小森隆司, 丸山隆志, 川俣貴一, 村垣善浩
発表年月日 2017/10/12
開催地
(都市, 国名)
名古屋市
学会抄録 日本脳神経外科学会第76回学術総会 プログラム・抄録集
概要 【はじめに】頭蓋内悪性リンパ腫(PCNSL)と神経膠芽腫(GBM)
は鑑別が困難な症例が多く、画像診断、髄液検査、血清学的検査
等が鑑別のため広く行われているが、術前検査では確定出来ない
事が多い。一方、術中 PCNSL では摘出を中止、GBM は可及的
摘出と大きく方針が変わってくるため、術中病理迅速診断が極め
て重要となる。しかし、迅速病理診断が困難な例も多く摘出時の
判断が難しいケースに出会う事がしばしばある。我々は 2008 年
より術中フローサイトメトリー(iFC)を用いて腫瘍細胞の DNA
content 測定に基づく glioma の悪性度や摘出断端の残存腫瘍の
評価を行っており(J Neurosurg 2013)、8 分間で結果が出る迅
速性が特徴である。今回 iFC が PCNSL と GBM の術中診断に
有用か検討した。【方法】 2010 年 10 月より 2016 年 12 月まで当
科で生検術あるいは開頭術によって診断された 28 例の PCNSL
と 120 例の GBM であった症例において iFC の結果を検討し
た。【結果】 GBM 症例の 51.7%(62/120 症例)は aneuploidy
を呈していたが、PCNSL では 3.57%(1/28 症例)と多くの症
例で aneuploidy はなく、diploid もしくは near diploid パター
ンを示した。また、aneuploidy のない症例で 2 つの腫瘍を比較
すると、ヒストグラム上 S 期にあたる細胞集団が PCNSL で有
意に多く、2 つの腫瘍で特徴的なヒストグラムパターンを示す結
果となった。これは tumor heterogeneity を有する GBM と、
細胞増殖サイクルが非常に早く、Mib-1 index の高い均一な細
胞集団である PCNSL の特徴を反映しているものと考える。こ
れらのヒストグラムパターンから診断の flow chart を作成する
と感度 89.3%、特異度 92.5% と iFC が非常に有用な判断材料に
なり得る事が示された。【結語】 iFC は、aneuploidy の有無、S
期の細胞集団を調べる事で、非常に短時間に PCNSL と GBM
の鑑別が行える。また、迅速病理診断と併用する事でより正確な
判断を術中に行える可能性がある。
一般口演 047  12:50 ~ 13:50
1M-O047 悪性リンパ腫:基礎・診断
O047-1 
(2017J-1260)
10月12日-M会場