ヤマザキ ケンジ
Yamazaki Kenji
山崎 健二 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 客員教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 超低体温循環停止を用いた再胸骨正中切開による大血管手術の治療成績 |
会議名 | 第47回日本心臓血管外科学会学術総会 |
主催者 | 日本心臓血管外科学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎宮本卓馬, 青見茂之, 新冨静矢, 服部将士, 笹生正樹, 東隆, 冨岡秀行, 山崎健二 |
発表年月日 | 2017/02/28 |
開催地 (都市, 国名) |
東京都 |
概要 | *ポスターセッション/胸部大動脈②
[目的]胸骨再正中切開による大動脈手術は難度が高く、死亡率は10~20%と報告されている。当院では胸骨再正中切開時に大腿動脈を剥離、必要に応じ人工心肺、冷却を開始、脳保護には超低体温循環停止法を使用している。当院での超低体温循環停止法を用いた大動脈領域の再手術の成績を検討する。[方法]2004年1月~2015年12月、当院で再胸骨正中切開による大血管手術をうけた103例を対象とした。手術結果、死亡率、主要合併症の発生率を調査、Kaplan-Meier法を用いて長期生存率を計算した。死亡予測因子を単変量解析、多変量解析で行った。[結果]平均年齢54歳(16-79歳)、男性78.6%であった。EuroScoreの予測死亡率は平均17.13±10.11%であった。初回手術は大動脈基部33例(32%)、大血管15例(14.6%)、弁33例(32%)、冠動脈4例(3.9%)、先天性18例(17.4%)であった。大血管の置換範囲は基部41例(39.8%)、基部~弓部24例(23.3%)、上行6例(5.8%)、上行~弓部32例(31.0%)であった。術前因子は糖尿病12例(11.7%)、中等度以上の左室機能障害16例(15.5%)、緊急手術4例(3.9%)、IE,PVE9例(8.7%)であった。手術結果は平均人工心肺時間310±86分、平均大動脈遮断時間194±68分、超低体温循環停止を74例(71.8%)に施行した。周術期死亡は8例(7.8%)、再開胸止血術5例(4.9%)、永続的脳神経障害4例(3.9%)、縦隔炎5例(4.9%)、長期挿管56例(54.3%)であった。Kaplan-Meier法による生存率は5年80.7%、10年74.2%であった。単変量解析による死亡予測因子はIE,PVE、緊急手術が有意で(70歳以上:OR1.333, 95%C.I.0.249-7.316, p=0.736、IE、PVE:OR 10.800 95%C.I. 1.991 - 58.594 p=0.001、緊急手術:OR 94.000 95%C.I. 8.451 - 1045.497 p=0.000、超低体温循環停止:OR 0.628, 95%C.I. 0.140 - 2.817, p=0.545、中等度以上の左室機能低下:OR 1.929, 95%C.I. 0.353 - 10.535, p=0.361、CPB time>300分:OR 1.337, 95%C.I. 0.213 - 8.402, p=0.562)、多変量解析では緊急手術が有意な予測因子となった(IE、PVE:OR 7.028, 95%C.I. 0.759 - 65.075, p=0.086、緊急手術:OR 73.498, 95%C.I. 5.926 ? 911.498, p= 0.001)。[結論]超低体温循環停止法を用いた大動脈再手術の成績は良好であった。手術死亡、永続的神経障害は低率であり、長期予後も良好であった。緊急手術は手術死亡の強い予測因子であったが、超低体温循環停止法を用いる事は死亡の予測因子とはならなかった。 |