サイトウ サトシ   Saitou Satoshi
  齋藤 聡
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   准教授
言語種別 日本語
発表タイトル 当院における腎臓移植後患者に対する心臓大血管手術症例の周術期、遠隔期成績の検討
会議名 第47回日本心臓血管外科学会学術総会
主催者 日本心臓血管外科学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎服部将士, 宮本卓馬, 笹生正樹, 新冨静矢, 東隆, 冨岡秀行, 青見茂之, 齋藤聡, 山崎健二
発表年月日 2017/02/28
開催地
(都市, 国名)
東京都
概要 *ポスターセッション/透析、ブラッドアクセス
【目的】本邦における腎移植症例数は年間1600例を超え年々増加傾向にある。腎臓移植患者は移植前にすでに透析導入されていることが多く、その後の心臓大血管合併症は移植後の疾病率や死亡率を左右する大きな要因である。また移植腎保護のために心臓大血管手術前より長期にわたり免疫抑制剤やステロイドを服用していることが多く、周術期管理においても慎重に管理する必要がある。本研究の目的は腎臓移植後患者に対する心臓大血管手術症例についての手術成績や遠隔期成績などを明らかにすることである。【対象】2004年1月から2016年7月までに当科で施行された腎臓移植後患者に対する心臓大血管手術症例30例を対象とし、後方視的にデータ抽出を行い、患者背景、周術期合併症、遠隔期成績などについて評価を行った。【結果】手術時平均年齢は56.8歳(25~76歳)、男女比27:3、腎移植後から心臓大血管手術までの期間は平均9.3年、腎臓原疾患は糸球体腎炎が21例、糖尿病性腎症が5例、単クローン性ガンマグロブリン血症2例、不明2例であった。術前平均血清Cr3.3mg/dLで術前に7例が透析再導入されており、術前に免疫抑制剤またはステロイドを投与されていない患者は4名だけであった。手術術式は単弁置換/形成術6例、CABG11例、大動脈手術6例、Bentall術2例などであり、緊急手術は4例であった。平均手術時間429分、大動脈遮断時間151分、人工心肺時間212分であった。平均入院期間は35.4日、術後ICU滞在日数は8.2日、挿管時間は33時間であった。20件の周術期合併症を認め、主な合併症は出血4例、再挿管2例、創部感染2例、肺炎2例、敗血症2例、ARDS1例などがあった。術後30日以内の周術期死亡は2例(6.7%)であった。術後平均血清Cr値の最高値は3.96mg/dLで一時的CHDF使用例は3例、退院時血清Cr3.05mg/dLであった。術後早期透析再導入例を1例認めたがのちに離脱可能であった。遠隔期死亡は2例認めたが、心臓大血管以外の原因によるものだった。術後平均観察期間は3.9年で、術後3年、5年、10年生存率は87%、87%、72%であった。【結語】腎移植後患者に対する心臓大血管手術症例の周術期死亡率は高めであったが、周術期腎機能や遠隔期成績は良好な結果であった。術後の再透析導入例も認めなかった。