タテイシ ミノリ
Tateishi Minori
立石 実 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 助教 |
|
言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 遠心ポンプ型植込み型補助人工心臓治療における右心不全の検討 |
会議名 | 第47回日本心臓血管外科学会学術総会 |
主催者 | 日本心臓血管外科学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎勝部健, 齋藤聡, 立石実, 梅原伸大, 西中知博, 山崎健二 |
発表年月日 | 2017/02/28 |
開催地 (都市, 国名) |
東京都 |
概要 | *一般口演23/心不全・VAD・心臓移植
【目的】左室補助人工心臓(LVAD)植込み術後右心不全はLVAD術後の生存率、QOL、移植後の予後に影響する。遠心ポンプ型の連続流式LVADを長期使用例における右心不全の詳細については未だ不明である。今回遠心ポンプ型連続流式LVADであるEVAHEART植込み症例における右心不全について検討した。【方法】当施設にて2011年3月から2014年12月までに遠心ポンプ型植込み型LVAD(EVAHEART)植込み術を施行した補助症例23例を対象とし、術後右心不全としては2週間より長期間の強心剤投与または術後48時間以上のNO吸入、RVADを含む機械的右心補助を行ったものと定義し、これを右心不全群とし、非右心不全群と比較検討した。【結果】平均年齢は38歳、男性19例、平均補助期間は705日であった。9例が心臓移植に到達した。原疾患はICM1例、DHCM3例、DCM19例、併施手術はTVR1例、TAP4例、PFO閉鎖2例であった。術後右心不全を合併した症例は9例39%で、全例が長期間の強心薬投与を行ったが、術後RVADを要した症例は認めなかった。またLVAD植込み前のIntermacs profileは平均2.5、静注強心剤投与を要した症例は21例、人工呼吸管理を行っていた症例は2例、IABP使用例は16例でこれらの項目に関して両群間に有意差を認めなかった。術前カテーテルでは収縮期血圧84.9mmHg、収縮期肺動脈圧47.7mmHg、平均肺動脈圧33.9mmHg、肺動脈楔入圧27.5mmHg、右房圧11.3mmHg、肺血管抵抗2.1W.U.、心係数2.1であり、両群間に有意差を認めなかった。また術前血液検査ではCr値が右心不全群において有意に高値であった。術前のRight Ventricular Failure Risk Scoreは平均0.67(0-5.5)、todai right ventricular failure scoreは平均4.6(0-24)であった。また術後はLVAD植込み術後1か月、3か月、1年でLVADポンプ回転数(rpm)は1835、1820、1769、BNP(pg/ml)は340.6、250.6、207.5、心エコーによる推定右室圧(mmHg)は29.8、29.9、29.3であり、両群間に有意差を認めなかった。死亡例は1例で右心不全合併症例に認め血栓塞栓症にて失った。【結語】EVAHEARTを用いたLVAD植込み症例では術前より右心不全の発生リスクが多くあったにもかかわらず、RVAD要する症例は認めなかった。術後急性期の高RPM(≧2000)、比較的多くの強心剤投与、高めのCVP管理、NO吸入等の集中管理を行い、右心不全の発生リスクのある症例でもまた右心不全合併症例でも術後慢性期は非合併例とほぼ同等の良好な術後経過であった。 |