フルタ アキヒサ   Furuta Akihisa
  古田 晃久
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   助教
言語種別 日本語
発表タイトル ファロー四徴症に対するConotruncal Repair法の遠隔成績
会議名 第47回日本心臓血管外科学会学術総会
主催者 日本心臓血管外科学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎坂本貴彦, 長嶋光樹, 松村剛毅, 梅津健太郎, 宮入聡嗣, 西森俊秀, 古田晃久, 五十嵐仁, 山崎健二
発表年月日 2017/02/27
開催地
(都市, 国名)
東京都
概要 *一般口演16/先天性②
【目的】われわれは術後の低い中心静脈圧、無心雑音、無刺激伝導障害を目的として1985年からファロー四徴症(TOF)に対するConotruncal repair法を導入し基本術式としてきた。本術式の特徴は三尖弁中隔尖の代わりにmembranous flapを用いるVSD閉鎖とshort incision + wide monocuspid patchによる右室流出路再建である。 今回、その長期遠隔成績に関して報告する。【対象と方法】1985年10月から1991年1月までにhand-made monocuspid patch(Xenomedica: 79例、Gore-Tex: 64例)を用いたConotruncal repair法を施行したTOF連続143例を対象とした。肺動脈閉鎖例は除外した。手術時年齢は2ヶ月―27歳(平均4.2歳)で、体外循環時間 128±36分、大動脈遮断時間72±27 分、RV incisionは20.3±5.6mmであった。【結果】手術死亡なし。平均観察期間17.5±9.5年で遠隔死亡4例(心不全: 2例、肺炎: 1例、詳細不明: 1例)でKaplan-Meier法による遠隔生存率は20年、98.5%、30年、95.3%であった。再手術6例、7回(残存PAPVC修復: 2例、ペースメーカー手術: 3例(術前からのII AVB: 2例、遠隔期SSS: 1例)、residual VSD closure: 2例)を認めた。肺動脈弁置換術を含めた右室流出路再手術、完全房室ブロックの発生は認めず、Kaplan-Meier法による再手術回避率は20年、95.9%、30年、94.3%であった。中期遠隔期の心臓カテーテル検査(1ヶ月 ? 5.7年)ではRVp:49.5±12.9 mmHg, CVP:9.0±2.8 mmHg、CI:3.8±0.9 ?/min/m2であった。長期遠隔期(89例)には胸部レントゲン写真上CTR:52.0±5.7%、心電図上PQ間隔:165.3±22.3 msec、QRS幅:122.3±27.4 msecで、心エコー上右室流出路圧較差:18.0±9.3 mmHg、RVp:41.6±9.5 mmHg、NYHA class I: 85例、II: 4例であった。肺動脈弁逆流は2/3の症例でmoderateであったが、三尖弁逆流は1例を除きmild 以下であった。BNP: 31.1±25.4 pg/ml、77名(86.5%)がmedication freeであった。【結語】hand-made monocuspid patchを用いたConotruncal Repair法によるファロー四徴症根治手術の遠隔成績は良好であった。