タテイシ ミノリ
Tateishi Minori
立石 実 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 助教 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 65歳未満の大動脈弁位における生体弁置換と機械弁置換との検討 |
会議名 | 第47回日本心臓血管外科学会学術総会 |
主催者 | 日本心臓血管外科学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | シンポジウム・ワークショップ パネル(公募) |
発表者・共同発表者 | ◎泉聡, 梅原伸大, 村上弘典, 立石実, 勝部健, 柏村千尋, 小林慶, 新冨静矢, 服部将士, 冨岡秀行, 青見茂之, 山崎健二 |
発表年月日 | 2017/03/01 |
開催地 (都市, 国名) |
東京都 |
概要 | *パネルディスカッション4/高齢社会における本邦人工弁選択ガイドラインを再考する
目的;本邦における超高齢化社会の到来、生体弁の耐久性及び遠隔成績の向上、TAVIの普及など人工弁選択を取り巻く環境は変化している。当科における機械弁(SJM弁)、及び生体弁(CEP弁)の長期遠隔成績を年齢別に検討し適切な人工弁選択について考察した。方法;当科で施行したSJM弁を用いた弁置換術,AVR950例、CEPを用いたAVR 153例を対象とした。年代別に50歳代以下,60代前半(60-64),60代後半(65-69歳)、70歳以上の4群で比較検討を行った。追跡調査はガイドラインに従って施行し追跡率は90%、平均観察期間は14.4年であった。検討項目として早期死亡、弁関連死亡、弁関連イベント(再手術、血栓塞栓症,出血とした。方法と結果:SJM-AVR全例(n=950),術前年齢52.7歳、早期死亡は3.0%で<59歳群(n=621)で2.0%, 60-64歳群(n=154)で1.0%, 65-69歳群(n=149)で3.0%, 70歳<群(n=67)で4.0%であった. 弁関連死亡のlinearized rate はsjm-AVRで0.3%pt-yearで各年齢層では<59歳群で0.1、60-64歳群で0.9,65-69歳群で0.7,70歳<群で1.6% pt-year.であった.CEP-AVR(n=152) 術前年齢71.1歳,早期死亡は70歳<群(n=114)で3.0%で、弁関連死亡は認めず、遠隔死は1.94%pt-yearで 70歳<群で1.8% pt-year.であった.70<歳の比較検討ではSJM-AVR, CEP-AVRでは術後10年までの比較検討では弁関連死亡、再手術回避率、血栓塞栓回避率、出血性イベント回避率で差異を認めなかったが、10年の血栓塞栓回避率 (SJM vsCEP, 92.5%vs96.9%)及び出血回避率(SJM vsCEP, 91.7%vs93.9%)であった。再手術はSJM-AVRで各年齢層では<59歳群で0.1, 60-64歳群で0.1、65-69歳群で1.0, 70歳<群で0.7% pt-year.であった. CEP-AVRでは60代の3例で術後11.2年でSVDによる再手術を施行した。結語;1機械弁を用いたAVRはいずれの年齢層においても遠隔成績は高い生存率、低いイベント発生率を示した。弁関連事故の発生は非常に少ないが関連死亡、血栓塞栓症、出血生合併症の発生は70歳以上で増加する傾向であった。生体弁は70歳以上の高齢者に対する長期成績は良好な生存率、低いイベント発生率を示した。2.生体弁、機械弁の比較検討では70代以上で、血栓塞栓症回避率及び出血回避率は生体弁で良好な傾向を示した。これより70歳以上は生体弁とする弁種選択には妥当性があると考えられた。 |