フルタ アキヒサ
Furuta Akihisa
古田 晃久 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 助教 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 修正大血管転位症に対するConventional Rastelli11の長期遠隔期成績 |
会議名 | 第47回日本心臓血管外科学会学術総会 |
主催者 | 日本心臓血管外科学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | シンポジウム・ワークショップ パネル(公募) |
発表者・共同発表者 | ◎長嶋光樹, 坂本貴彦, 松村剛毅, 上松耕太, 西森俊秀, 古田晃久, 五十嵐仁, 山崎健二 |
発表年月日 | 2017/02/27 |
開催地 (都市, 国名) |
東京都 |
概要 | *パネルディスカッション1/修正大血管転位症の外科治療戦略と遠隔成績
【背景】修正大血管転位症(C-TGA)に対する解剖学的修復術、いわゆるダブルスイッチ手術の生理学的修復術(conventional Rastelli)に対する優位性が疑問視される報告が散見される。当院では、基本的にダブルスイッチ手術を目指す方針で来ている。その一方で、Conventional Rastelliも行われており、その長期遠隔成績を後方視的に検討した。【方法】対象は、1977年より2016年までに当院でConventional Rastelli手術を施行された31名(男18、女13)。手術時平均年齢は13.8±8.3歳、平均体重33.3±11.8Kg。肺動脈狭窄18例、肺動脈閉鎖13例。Situs inversusが5例であった。術前よりPMが挿入されていたものはなし。平均Qp/Qs 0.83±0.38.全例心外導管を用いて再建。2例に僧房弁形成、1例に三尖弁形成を施行。平均追跡期間は17.8±21.7年、最長38年。長期遠隔期生存率、再手術回避率を分析した。遠隔期生存例を把握するため、胸部X-PよりのCTR、心電図より、基本調律、PQ間隔、QRS幅、超音波検査(UCG)より右室拡張末期径(RVDd)、右室内径短縮率(RVSF) 三尖弁逆流(TR)、僧房弁逆流(MR)の程度、推定左室圧、平均血中BNP値を後方視的に分析した。【結果】病院死亡2例(心不全)、遠隔期死亡8例。5例は心不全、感染1例、不整脈による突然死2例。10、20、30年生存率は、86.5%、79.0%、58.4%。再手術は4例。いずれもconduit交換。10、20、30年再手術回避率は、93.1% 83.8%、83.8%であった。CTRは、術前48.6 ± 7.4 %から術後遠隔期54.8 ± 5.8 %と有意に(p<0.01)増大。術前全例、洞調律。術後2例に房室ブロックのためペースメーカー(PM)挿入。遠隔期、1例のみPMリズム、他は洞調律を維持。平均PQ間隔195±34 msecと軽度延長。平均QRS幅は122±17 msecと延長していた。UCGより、RVDdは 56.4±8.7 mm、RVSFは 24.3 ± 9.7 %であり、TRは2.1 ± 0.5度、MRは1.9 ± 0.8度、推定左室圧は、54.7 ± 18.2mmHgであった。平均血中BNP値 は、遠隔期224 ± 273 pg/ml。【結後】C-TGAに対するconventional Rastelli術の長期遠隔期は必ずしも満足のいくものではない。生存例においても、右室機能の低下を認める症例がある。 |