タチバナ ヤスナリ
Tachibana Yasunari
立花 康成 所属 看護専門学校 看護専門学校 職種 非常勤講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 卵巣類内膜腺癌に対する妊孕性温存術後の対側卵巣に異型内膜症を発症した一例 |
会議名 | 第376回東京産科婦人科学会例会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎古川由理, 長野浩明, 立花康成, 川上恵, 菅野俊幸, 上野麻理子, 森田吉洋, 村岡光恵, 髙木耕一郎 |
発表年月日 | 2015/12/19 |
開催地 (都市, 国名) |
東京 |
概要 | 卵巣類内膜腺癌や明細胞癌の発症母地として子宮内膜症があることは周知の事実であり、異型内膜症がその前癌病変であると考えられているが、温存した対側卵巣に異時性に異型内膜症が発生した例についての報告は少ない.我々は卵巣類内膜腺癌に対し妊孕性温存手術を施行後、2度の妊娠出産を経て、9年後に対側卵巣に異型内膜症を発症した症例を経験したので報告する.
症例は41歳の4経妊2経産婦.32歳時、妊娠14週で右卵巣嚢腫に対し嚢腫摘出術を施行.病理診断が類内膜腺癌であり妊孕性温存を希望されたため、人工妊娠中絶後に、右付属器摘出術、大網部分切除術を施行した(Ic期).術後補助化学療法としてパクリタキセル・カルボプラチン併用療法を6コース施行して外来経過観察となった.再発無く経過し、不妊治療により2回の出産を経験した.術後9年目より左卵巣嚢腫が徐々に増大.画像上は径6.5cm大の内膜症性嚢胞が疑われ、MRI上は造影効果を有する充実性腫瘤は指摘できなかったが、既往歴を考慮し開腹手術の方針とした.摘出した左卵巣腫瘍の術中迅速病理診断が境界悪性類内膜腫瘍(高分化型類内膜腺癌も否定できず)であった為、単純子宮全摘出術、左付属器摘出術、骨盤・傍大動脈リンパ節生検を施行した.最終病理診断の結果、左卵巣は内膜症性嚢胞に伴った異型内膜症と診断された.また、子宮には子宮内膜異型増殖症を伴っていた.術後は順調に経過している. 本症例のように子宮内膜症に関連した卵巣類内膜腺癌や明細胞癌の妊孕性温存術後は、再発がなくても対側卵巣に新たに同一病変が発症する可能性を踏まえ、長期的な経過観察が必要とされることが示唆された. |