ヨシザワ ヒロシ   Yoshizawa Hiroshi
  吉澤 浩志
   所属   医学部 医学科(附属八千代医療センター)
   職種   准教授
言語種別 日本語
発表タイトル Infliximab定期投与中に発症した急性型神経ベーチェット病
会議名 第55回日本神経学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎眞壽田充代, 鈴木美紀, 吉澤浩志, 橋本しをり, 内山真一郎
発表年月日 2014/05/24
開催地
(都市, 国名)
福岡
学会抄録 臨床神経学 54(Suppl.),S262 2014
概要 [目的] Infliximabはベーチェット病の眼症状のみならず、神経ベーチェット(NBD)を含む特殊型にも有効であることが報告されている。今回、infliximab定期投与中に急性型NBDを発症した2例を経験したので、報告する。
[方法] 眼ベーチェットに対してinfliximabを定期投与中に、急性型NBDを発症した2例の臨床経過をまとめ、NBD治療におけるinfliximabの役割について考察した。
[結果] 症例1(48歳女性): 38歳発症の不全型ベーチェット病(HLA-B51陽性)で、43歳時からinfliximab(5mg/kg)治療を7週間毎に継続していた。今回、頭痛と発熱を呈し、髄液検査にて細胞数 686/mm3、蛋白113 mg/dL、髄液IL-6 4380 pg/mLと上昇あり。原病による髄膜炎と診断し、PSL40mg/日投与により症状は急速に改善した。第5病日にinfliximab投与を行い、第18病日に退院。
症例2(44歳男性):33歳発症の不全型ベーチェット病(HLA-A26陽性)で腸管ベーチェットの合併もあり。42歳時よりinfliximab(5mg/kg)を8週間毎に継続投与していた。今回、発熱と複視を呈し、頭部MRIにて左橋、中脳、左視床~内包後脚、基底核、大脳深部白質にT2延長域を認め、髄液検査上、細胞数 41/mm3、蛋白88 mg/dL、髄液IL-6 630 pg/mLと上昇あり。ステロイドパルス療法を施行し、PSL50㎎/日投与開始したところ、解熱したものの、複視は残存した。第19病日にinfliximab投与したところ、徐々に複視も改善傾向となり、第30病日PSL30㎎/日に減量し、退院。 
[結論] Infliximab定期投与中に急性型NBDを発症した症例報告は少ない。今回の症例ではinfliximabの血中濃度や抗infliximab抗体の測定は行っていないが、長期のinfliximab 投与に伴う効果減弱の時期に急性NBDを発症した可能性もあり、今後のさらなる症例の蓄積が望まれる。