ムラガキ ヨシヒロ
Muragaki Yoshihiro
村垣 善浩 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 客員教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 全エクソンシークエンスを用いたlow gradegliomaにおけるクローン進化の解析 |
会議名 | 日本脳神経外科学会第73回学術総会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎鈴木啓道, 青木 恒介, 大岡 史治, 本村 和也, 藤井 正純, 真田 昌, 中村 英夫, 溝口 昌弘, 阿部 竜也, 村垣善浩, 若林 俊彦, 小川 誠司, 夏目 敦至 |
発表年月日 | 2014/10/09 |
開催地 (都市, 国名) |
東京都 |
学会抄録 | 日本脳神経外科学会第73回学術総会 |
概要 | 次世代シークエンサーによるhigh-throughput sequencingの普及により悪性腫瘍は複数のsubcloneによって構成され、腫瘍内多様性を有することが明らかになった。多くの悪性腫瘍では、一部のsubcloneが生存に有利な遺伝子異常を獲得しながら段階的に進展していくclonal evolutionの形式をとることが明らかになった。Low grade glioma(LGG)は緩徐に進行する腫瘍であるが数年から十数年の経過を経て再発・悪性化を生じる。LGGにおけるclonal evolutionを解明することは腫瘍の発生・進展の解明につながると考えられる。我々は10患者の初発/再発腫瘍に対し全エクソンシークエンスを行った。同定された変異に対してはdeep sequenceを行うことにより変異アレル頻度を求めた。pyclone analysisを行いsubcloneを同定することにより腫瘍内多様性を検討した。MEGA6を用いて系統樹を作成することにより初発/再発間でのsubcloneの動態を検討した。初発/再発腫瘍とも腫瘍内多様性が認められLGGは複数のsubcloneから存在することが明らかとなった。系統樹においていずれの腫瘍でもIDH1変異および1p19q co-deletionは初期に起こる変化としてとらえられ腫瘍の発生に重要な変化と考えられた。TP53, ATRX, FUBP1, CIC変異は同一患者において初発/再発で異なるポジションに変異が認められるparallel mutationが認められた。以上の結果よりLGGにおいても腫瘍内多様性が認められIDHおよび1p19q co-deletionは初期に起こる変化と考えられた。これらの変異をもった一部のsubcloneがTP53, ATRX, CIC, FUBP1などの変異を獲得することにより生存に有利な機能を獲得し増殖することにより腫瘍が進展していくと考えられた。 |