タムラ マナブ   Tamura Manabu
  田村 学
   所属   研究施設 研究施設
   職種   准教授
言語種別 日本語
発表タイトル 初発膠芽腫237例の長期治療成績 -volumetryを用いた積極的摘出の意義の検討-
会議名 日本脳神経外科学会第73回学術総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 シンポジウム・ワークショップ パネル(公募)
発表者・共同発表者◎福井敦, 村垣善浩, 丸山隆志, 新田雅之, 齋藤太一, 生田聡子, 田村学, 前林勝也, 小森隆司, 伊関洋, 岡田芳和
発表年月日 2014/10/09
開催地
(都市, 国名)
東京都
学会抄録 日本脳神経外科学会第73回学術総会  
概要 【背景】膠芽腫の摘出率と予後の相関が多くの論文で示されている。当科では2000年から情報誘導手術を用いた積極的摘出を行ってきた。今回、初発膠芽腫の単施設での成績を摘出率の観点から後方視的に報告する。【方法】当科で2000年~2013年までに手術を行った生検術を含む初発神経膠芽腫237例を用いて摘出率と予後の関係を検討した。さらに、術後の後療法が統一されている70歳未満の症例でかつ術中MRIを施行した症例128例を抽出し、それらの摘出前後の造影腫瘍体積を3DslicerにてVolumetryを行い、生存時間解析を行った。【結果】237例の年齢中央値59歳で全体の生存期間中央値(以下MST)は18.2ヶ月で1年生存割合は71.4%であった。全摘出(98%以上)群、部分摘出群、生検群のMSTはそれぞれ22.8ヶ月、17.5ヶ月、5.4ヶ月であった(p<0.001)。128例のVolumetry解析の結果は腫瘍摘出率は平均94.4%(95%CI:91.9ー96.9)、術前体積は平均38.7cm3(33.9-43.4)、術後残存体積は平均2.08cm3(1.08-3.08)であった。OSに関して摘出率98%未満、術前腫瘍体積が38.7cm3以上、残存腫瘍体積1cm3以上のハザード比がそれぞれ1.91、2.01、2.19で有意差を認めた。摘出術後MRIを用いた外科医の摘出率評価とVolumetryによる摘出率評価に有意差は認めなかった。全摘出(98%以上)群、部分摘出群のMSTはそれぞれ22.6ヶ月、13.5ヶ月であった(p=0.0029)。腫瘍摘出率に関して86%以上の摘出で全摘と同等のMSTを得た。【結論】外科医のMRIによる摘出率評価の精度はVolumetryと同等であった。膠芽腫に対する積極的摘出は有意に予後と相関を認め、98%以上の全摘出が困難な症例でもできる限り摘出率向上を目指すべきである。