タムラ マナブ   Tamura Manabu
  田村 学
   所属   研究施設 研究施設
   職種   准教授
言語種別 日本語
発表タイトル MRI陰性のてんかん原性領域の解剖学的マーカーとして注目した脳溝形成異常
会議名 日本脳神経外科学会第73回学術総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 シンポジウム・ワークショップ パネル(公募)
発表者・共同発表者◎田村学, 西林宏起, ManginJean-Francois, RiviereDenis, BartolomeiFabrice, GirardNadine, ChauvelPatrick, RegisJean, 上松右二, 中尾直之, 岡田芳和, 伊関洋, 村垣善浩
発表年月日 2014/10/09
開催地
(都市, 国名)
東京都
学会抄録 日本脳神経外科学会第73回学術総会  
概要 【背景と目的】MRI陰性、すなわち病巣の明らかでないてんかん原領域を、詳細な術前評価と的確な焦点切除を行い高い臨床成績を得ることは未だ困難が多い。てんかん原性領域(EZ)の決定のために硬膜下または脳内電極による脳波解析が有用であることは論を待たない。我々は病因の1つとして注目されている皮質形成異常を画像パターン(SAG: subclinical abnormal gyration)で捉えた術前評価を行い、臨床への有用性を検討した。【方法】1998年から2005年までにTimone病院でMRI陰性と診断を受けた前頭葉てんかん12名について、延べ14回のてんかん切除術を施行された。患者は少なくとも12ヶ月(平均3.3年)経過観察された。和歌山医大病院でMRI陰性と診断を受けた2名(頭頂葉と側頭葉中心)についても同様に臨床症状、EEG、PET、SPECT、SEEG等で十分術前検討し切除術を行った。それぞれMRI-T1WIから解析ソフト(BrainVISA)を用い、標準脳モデルを基にした脳溝同定と、標準脳との形態学的隔たりを数値化したSAGパターンのlabellingを行った。【結果】前頭葉原性12名のうち8名(66.7%)に発作消失が得られた。Cortical dysplasiaの病理診断を得た9名の患者については、7名がEngel class IAと高かった。SAGパターンはEZ内に9名(75%)に含まれていた。頭頂葉1名及び側頭葉病変1名は組織にDysplasiaを認めず、術後発作コントロールはIA及びIIAである。SAGパターンは頭頂葉症例でEZより広く捉え、側頭葉症例はEZの一部を捉えていた。【結論】MRI陰性てんかん脳において、電極による摘出前脳波解析から高いてんかん発作消失を得ることができた。Cortical dysplasiaの証明と、MRI脳回形成異常のSAGパターン解析はMRI陰性てんかん原領域の解剖学的マーカーとして応用可能と考えられる。