ニツタ マサユキ
Nitsuta Masayuki
新田 雅之 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 助教 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 退形成性神経膠腫に対するACNU先行再発時テモゾロミド療法を テモゾロミド療法と比較するランダム化第III相試験(JCOG1016) |
会議名 | 日本脳神経外科学会第73回学術総会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎村垣善浩, 丸山隆志, 隈部俊宏, 成田善孝, 新田雅之, 生田聡子, 永根基雄, 中村英夫, 片山宏, 水澤純基, 福田治彦, 渋井壮一郎, JCOG 脳腫瘍 |
発表年月日 | 2014/10/09 |
開催地 (都市, 国名) |
東京都 |
学会抄録 | 日本脳神経外科学会第73回学術総会 |
概要 | 退形成性星細胞腫(AA)、退形成性乏突起膠腫(AO)と混合腫瘍(AOA)等からなる退形成性神経膠腫(AG)は、WHOグレード3に分類され、有効な薬剤が少なく5年生存割合が50%を超えない予後不良な疾患である。従来AAはWHOグレード4の膠芽腫とともに悪性神経膠腫と扱われていたが、予後が大きく異なることや遺伝子背景も異なることから、最近の研究ではAAは膠芽腫とは別に、AO、AOAと併せてAGと扱われるようになった。AGに対する術後標準治療は、欧州は放射線治療(RT)単独、日米は化学放射線療法、と国際的なコンセンサスが得られていない。日本ではACNU中心の化学放射線療法が広く行われてきたが、テモゾロミド(TMZ)の承認後は膠芽腫での海外臨床試験結果を外挿する形でRT+TMZ療法が標準治療となった。 JCOG脳腫瘍グループは、初発AG患者を対象に、標準治療であるTMZ一次治療(RT+TMZ療法)と、ACNUによる一次治療後にTMZを二次治療として用いる逐次的2剤併用療法(RT+ACNU再発後TMZ療法)を比較するランダム化第III相試験を2014年5月に開始した(UMIN-CTR:UMIN000014104)。Primary endpointは全生存期間、secondary endpointsは無増悪生存期間、奏効割合、有害事象発生割合などで、対象は20歳以上69歳以下の初発AG患者である。RT+TMZ群の2年生存割合を62%と仮定し、RT+ACNU再発後TMZ療法群のそれが10%(HR=0.687)上回るかどうかを検出する優越性試験デザインとし、登録6年、追跡2年、α=5%(片側)、検出力70%として、両群計230例の登録を35施設で行う予定である。RT+ACNU再発後TMZ療法の優越性が検証されれば、AGに対して延命効果の優る新しい標準治療が創出できる。RT+ACNU再発後TMZ療法の優越性が検証されなければ、充分なエビデンスなく標準治療となったRT+TMZ療法が最も良い治療であることを確認するエビデンスが得られる。 AGに対するエビデンスのレビューとJCOG1016(SANTA trial)のrationaleと内容を紹介する。 |