ニツタ マサユキ
Nitsuta Masayuki
新田 雅之 所属 医学部 医学科(東京女子医科大学病院) 職種 助教 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 悪性脳腫瘍に対するタラポルフィンナトリウム及び半導体レーザによる光線力学的療法に関する治験と市販後臨床研究 |
会議名 | 日本脳神経外科学会第73回学術総会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎岡本沙織, 村垣善浩, 秋元治朗, 丸山隆志, 伊関洋, 生田聡子, 新田雅之, 前林勝也, 齋藤太一, 金子貞男, 松村明, 黒岩敏彦, 唐澤克之, 中里洋一, 嘉山孝正, 岡田芳和 |
発表年月日 | 2014/10/10 |
開催地 (都市, 国名) |
東京 |
学会抄録 | 日本脳神経外科学会第73回学術総会 |
概要 | 【はじめに】2013年9月にタラポルフィンナトリウム及び半導体レーザによる光線力学療法(PDT)が原発性悪性脳腫瘍患者に対して薬事承認となった。多施設共同試験でのPDTの有効性及び安全性の最終成績、承認後の当院でのPDT実施状況について報告する。【方法】臨床試験では初発膠芽腫患者を中心に集積し、有効性の評価項目は、全生存(OS)、無増悪生存(PFS)等、安全性の評価項目は、有害事象・副作用の発現頻度、皮膚光感受性試験結果等とした。悪性脳腫瘍が疑われた患者に対して、PDTの前日にタラポルフィンナトリウム40 mg/m2を静脈内注射した。投与翌日に腫瘍摘出手術を施行し、投与22-26時間後に半導体レーザを用いて664 nmのレーザ光を、腫瘍切除後の摘出腔または残存病変に照射した。照射回数は症例あたり1-3カ所であった。【結果】登録患者27名にタラポルフィンナトリウムを投与した。有効性解析対象となった22名のうち13名が初発GBM患者であり、1-year OSは100%、2-year OSは60.6%、3-year OSは34.6%、6-month PFSは100%であった。さらに、有効性の追跡調査を実施した結果、OS中央値は27.4ヵ月であった。タラポルフィンナトリウムを投与した全27名で、治験薬あるいはPDTに関連する副作用はみられなかった。また、光感受性物質の投与による皮膚光感受性反応は弱く、約8割の患者で本薬剤投与1週間後までに消失した。【考察】臨床試験において、初発悪性脳腫瘍に対する術中PDTの有効性と安全性が確認された。特に初発神経膠芽腫患者においては、OS延長や局所再発抑制等の、従来の集学的治療への上乗せ効果が期待される。薬事承認後、当院では2014年1月より、再発悪性神経膠腫を中心にPDTを開始した。現時点で6症例(7手術)に対してPDT を施行、照射回数は症例あたり3-7カ所、照射部位は摘出腔壁で再発が予想される連絡線維部位を主に選択している。治療効果等についてさらに解析を進めているところである。 |