イセキ ヒロシ   Iseki Hiroshi
  伊関 洋
   所属   医学研究科 医学研究科 (医学部医学科をご参照ください)
   職種   特任顧問
言語種別 日本語
発表タイトル 顕微鏡下脳神経外科手術のための 組織把持ロボットの開発と改良
会議名 日本脳神経外科学会第73回学術総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎原洋助, 後藤哲哉, 岡本淳, 村垣善浩, 伊関洋, 本郷一博
発表年月日 2014/10/10
開催地
(都市, 国名)
東京都
学会抄録 日本脳神経外科学会第73回学術総会  
概要 【目的】剥離は脳神経外科手術における顕微鏡下操作の主要な手技である。鋭的剥離を行うには対向牽引のための二手と切離操作を行う一手の計三手が必要である。また、牽引は剥離操作、術野展開など手術全体の動向をも左右する重要な要素であり、適切な牽引の実現には経験と熟練が必要である。我々は、牽引の一手を担う組織把持装置Robot-assisted holding system (RAHS)を開発中である。RAHSは鑷子と6自由度の多関節アーム及びその基部で構成される。試作一号機は関節駆動モータを排した設計で、術者が直接鑷子を持って駆動し、電磁ブレーキによって牽引時の姿勢を保持する。精細かつ軽快な動作のため、アームは重量配分とバネの配置によって重力補償されている。RAHSは鑷子で組織を把持して牽引することが可能で、脳ヘラと自在固定蛇腹のような牽引位置や方向を変更際の煩雑さもなく、助手の様な不安定さや疲労の問題もない。RAHSに遠隔制御機構を実装すれば、術野外の熟達者と協働して牽引を行うことができ、手術の適切な遂行や手術技量の習得に寄与できると期待される。RAHSの開発の現状と問題点、将来への展望について述べる。【方法】一号機と同じアームジオメトリで関節駆動モータを搭載した試作二号機を製作した。一号機に力覚センサとエンコーダを搭載して操作応力と関節位置情報を出力可能なマスタ機能を付与し、二次試作機をスレーブ制御するマスタ・スレーブ装置を構成した。実験環境で本装置の基本的動作を検証した。【結果】検者が操作するマスタの動作に同期した、スレーブのアーム姿勢および鑷子開閉の遠隔制御が可能であった。スレーブは手術用顕微鏡下で対象物を把持牽引し保持することが可能で、顕微鏡下手術の適切な遂行や手術技量の習得に有用かつ有益である可能性が示唆された。【結論】RAHSに遠隔制御機構を実装し基本的動作を実証した。動作精度等に更なる改良が必要だが、顕微鏡下手術に有用である可能性が示唆された。