ミヤヤマ タカミツ   Miyayama Takamitsu
  宮山 貴光
   所属   医学部 医学科
   職種   助教
言語種別 日本語
発表タイトル リソソーム形成阻害による銀ナノ粒子の細胞内分布と毒性への影響
会議名 第85回日本衛生学会学術総会
主催者 日本衛生学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎宮山貴光, 松岡雅人
発表年月日 2015/03/27
開催地
(都市, 国名)
和歌山
学会抄録 第八十五回学術総会講演集 S205
概要 【目的】銀ナノ粒子(AgNPs)は、エンドサイトーシスによりリソソームに分布するが、細胞毒性との因果関係は不明である。本研究では、リソソーム成熟に関与するvacuole-ATPaseの阻害剤であるバフィロマイシンA1を用いて、リソソーム形成を抑制したときのAgNPsの細胞毒性、ストレス応答性の金属結合タンパク質であるメタロチオネイン(MT)の発現および細胞内の銀分布を調べた。【方法】ヒト肺胞上皮細胞A549に、1.0 % ウシ血清アルブミン含有MEM培地で調製した20 nm citrated-AgNPs(0-200 μg/mL)をそれぞれ24時間曝露し、WST-1アッセイにより細胞毒性を評価した。MTのmRNAレベルをリアルタイムPCRにより定量した。200 nM バフィロマイシンA1を24時間処理した後、リソソームの挙動を共焦点レーザー顕微鏡によって観察した。また、AgNPsの細胞内取り込み量をInductively Coupled Plasma-Mass Spectrometryを用いて評価した。【結果・考察】A549細胞にAgNPsを曝露したところ、用量依存的に細胞毒性が増大した。また、細胞内の銀含有量も増大した。MTのmRNAレベルは、AgNPsの曝露時間依存的に増加した。バフィロマイシンA1を処理したA549細胞はリソソーム形成が抑制されAgNPsの毒性が増強した。以上より、AgNPsは細胞ストレスを惹起し、メタロチオネインを発現させる一方で、リソソームの形成阻害による細胞毒性が増強したことから、リソソームへのAgNPs分布は、毒性軽減に関わるものと考えられた。