アラシキ ノブト
Arashiki Nobuto
新敷 信人 所属 医学部 医学科 職種 助教 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 赤血球膜-リポタンパク質間コレステロール移動におけるハプトグロビンの役割 |
会議名 | 第87回日本生化学会大会 |
主催者 | 日本生化学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎新敷信人, 高桑雄一 |
発表年月日 | 2014/10/18 |
開催地 (都市, 国名) |
京都府 |
学会抄録 | 生化学 86(8),168 2014 |
概要 | 【背景・目的】 赤血球とリポタンパク質(LDLおよびHDL)間でコレステロールが双方向に移動することは古くから知られていたが、その詳細なメカニズムと生理的意義は明らかではない。前回大会で、生理的条件下では、LDLとは1:1の交換であるが、HDLとは1:1の交換に加え、Lecithin Cholesterol Acyl Transferase(LCAT)活性が赤血球からの移動量を決定することを報告した。従って、循環中のHDLとの接触により赤血球膜のコレステロールは連続的に減少し、赤血球の機能が障害される可能性もある。本研究では、血漿タンパク質のハプトグロビンによるLCAT活性抑制が、循環中の赤血球膜のコレステロールを維持するとの仮説を検証した。
【方法・結果】 インフォームドコンセントによって同意を得た健常人から静脈血を採取し、洗浄赤血球およびハプトグロビンを含まない精製リポタンパク質を得た。洗浄赤血球を3H-コレステロールで標識し、HDLと総コレステロール1:1(生理的条件)で混和後、精製ハプトグロビン存在下で37℃、24時間までインキュベーションしたところ、30 mM(正常値上限程度)でコレステロールの移動量はLDLと同程度まで抑制された。この時、3H-コレステロールエステルの生成も抑制されていた。また、HDLと混和して24時間後のコレステロールが減少した赤血球の浸透圧脆弱性試験では、より高張側で溶血し脆弱になっていたが、ハプトグロビン存在下ではLDLと同程度まで改善していた。 【考察】 赤血球とリポタンパク質は、血管内で互いに高密度で存在するために接触によりコレステロールの移動は容易に起こると思われる。その際、ハプトグロビンは、LCATの活性抑制を介して赤血球膜からコレステロールがHDLに過剰に移動するのを抑制することで、赤血球の溶血を防ぐ働きを担っていると考えられた。 |