イセキ ヒロシ
Iseki Hiroshi
伊関 洋 所属 医学研究科 医学研究科 (医学部医学科をご参照ください) 職種 特任顧問 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 日本初の医薬品医療機器複合医師主導治験「悪性脳腫瘍に対するME2906及びPDT半導体レーザによる光線力学的療法に関する臨床試験」 |
会議名 | 日本脳神経外科学会 第72回学術総会 |
学会区分 | 国際学会及び海外の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎伊関洋, 村垣善浩, 丸山隆志, 生田聡子, 秋元,治朗, 岡田芳和, 金子貞男, 松村明, 黒岩敏彦, 唐澤克之, 中里洋一, 嘉山孝正 |
発表年月日 | 2013/10/18 |
開催地 (都市, 国名) |
横浜市 |
学会抄録 | 日本脳神経外科学会 第72回学術総会 402 |
概要 | 3H-O099-04 一般口演:多施設共同試験
【背景】薬事法改正を期に導入された医師主導治験であるが、医師のその煩雑さに対する恐れ や、インセンティブの低さから医療機器では一件も施行されていなかった。そこで、平成19年 3月医療技術産業戦略コンソーシアム(METIS)第6回医療テクノロジー推進会議で、医師主導治 験の実際の問題点を抽出し、解決策を検討するためにはパイロットスタディを施行すべきと提 言された。そこで我々は平成21年3月~平成24年3月国産薬剤と国産医療機器による光線力学療 法の悪性脳腫瘍への適応拡大を目指して医師主導治験を実施した。 【対象・方法】20-69歳のテント上悪性脳腫瘍を対象とした。腫瘍摘出の22-26時間前にタラポ ルフィリンNa 40mg /m2を静脈投与し、可及的腫瘍摘出後の摘出腔に、664nmのダイオードレー ザ光(PDTレーザ)を照射パワー密度150mW/cm2、エネルギー密度27J/cm2で照射した。 【結果】登録された薬剤投与27例(女子医大19例、東京医大8例)が安全性解析対象、病理中 央診断で初発膠芽腫であった13例が主な有効性解析対象で、1年生存率100%、生存期間中央値 24.8ヶ月であった。6ヶ月無増悪生存率(PFS)100%、PFS中央値12.0ヶ月であり、レーザ照射部 位の6ヶ月PFS 100%、12ヶ月PFS 92.3%と局所再発制御が示唆された。一方、全27例中重篤な有 害事象は6名(22.2%)に9件発現したが、いずれも治験薬・PDT 及び治験機器との因果関係は 否定された。皮膚光感受性反応は78%が8日以内、15日後には全例消失した。 【結論】タラポルフィリンNaとPDTレーザを用いたPDTは、悪性脳腫瘍、特に初発膠芽腫症例に 対して生存期間、無増悪再発期間の延長効果が示唆された。現在薬事承認申請中である。臨床 研究支援センター等の更なる環境整備が必要であるが、医師主導治験は希少疾患対象治療や国 産新規治療の薬事承認のために有用な方法であると考える。 |