タムラ マナブ   Tamura Manabu
  田村 学
   所属   研究施設 研究施設
   職種   准教授
言語種別 日本語
発表タイトル 情報誘導手術と国産治療を核とした神経膠腫に対するMultimodality治療戦略
会議名 日本脳神経外科学会第72回学術総会
学会区分 国際学会及び海外の学会
発表形式 口頭
講演区分 シンポジウム・ワークショップ パネル(公募)
発表者・共同発表者◎村垣善浩, 丸山隆志, 新田雅之, 田村学, チエルノフミハイル, 生田聡子, 前林勝也, 岡本淳, 岡本沙織, 岡田芳和, 伊関洋
発表年月日 2013/10/16
開催地
(都市, 国名)
横浜市
学会抄録 日本脳神経外科学会第72回学術総会プログラム 186
概要 1C-SY04-05 シンポジウム:Multimodalityを用いたgliomaに対する治療戦略 
【はじめに】 神経膠腫に対して多種multimodality術中情報で摘出意思決定を行う情報誘導
手術、GradeIIとIII(II/III)には国産薬、Grade IVには国産新治療を含めた集学的
multimodality治療を施行してきた。単施設での治療成績を後方視的に検討した。
【方法】’00-‘12年術中MRI (0.3Tesla) で解剖学的情報を取得した1101例中、生検8例を除
く初発神経膠腫533例を対象(M:F 59:41, 平均44.8歳)。比較として未使用群27例。組織は、II
201例 (A58, O83, OA60) III 150 例(AA59, AOA42, AO49) IV170例。覚醒下手術(174例)で
の術中マッピングやモニタリングの機能的情報、術中迅速診断/5ALA/flowcytometryによる組
織学的情報、と3情報をnavigationで統合し摘出意思を決定した。
【結果】摘出率はII 87.7%, III 89.5%, IV 93.7%とグレード毎に有意に増加(P=0.0004)。II
は5年,10年OSが 91.7%, 78.3%、IIIはそれぞれ76.9%, 71.9%と有意差を認めなかった。 覚醒
下手術群と全麻群(350例)では、全体で5年OSが82%と59%と有意差を認めた(P<0.0001)。II/III
での摘出度は85%対92%と有意に全麻群が高かったが、生存期間は5年OSが90% 対 83%と有意差
を認めなかった(P=0.326)。術中MRI使用群と未使用群の摘出度比較では、II/IIIで有意差な
く、IVで94%対78%と有意差認め(P<0.0001)、IVはOSも11M対21Mと有意差を認めた(P=0.037)。
またIVでは自家腫瘍ワクチンや光線力学療法等の前向き臨床試験群(47例)と非試験群(123例)
の比較では中央値が27.4M対19.1M (P=0.0137) と有意差を認めた。
【結論】selection biasは存在するが、情報誘導手術の核となる術中MRIは摘出率向上、覚醒
下手術はeloquent area症例の生存期間延長効果が示唆され、国産新治療は生存期間延長効果
が期待できる。