タムラ マナブ   Tamura Manabu
  田村 学
   所属   研究施設 研究施設
   職種   准教授
言語種別 日本語
発表タイトル 神経膠腫に対する言語マッピングを併用した168例の覚醒下手術の治療成績
会議名 第72回日本脳神経外科学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎田村学, 丸山隆志, 村垣善浩, 新田雅之, 吉光喜太郎, 生田聡子, 岡本淳, 鈴木孝司, 小西良幸, 仁木千晴, 齋藤太一, チエルノフミハ, 伊関洋, 岡田芳和
発表年月日 2013/10/18
開催地
(都市, 国名)
横浜市
学会抄録 日本脳神経外科学会 第72回学術総会 プログラム
概要 ポスター:マッピング・モニタリング
【目的】言語マッピングを併用した覚醒下神経膠腫摘出術前には、適切な言語優位側および局
在の同定が重要である。我々は、覚醒下手術全症例において摘出率と術後機能温存率を検討す
ると共に、文法課題を言語タスクとした術前fMRI賦活部位と術中マッピングとの比較を行っ
た。
【方法】1999年から行っている覚醒下手術全288例のうち、神経膠腫と診断された275例は平均
39.6歳(男187、女88)で、初再発(初発193、再発81、不明1)、左右(左214、右61)、部位
(前頭葉204、側頭葉35、島回23、頭頂葉13)、組織型(grade I-2、II-128、III-103、IV41、他1)の内訳である。言語マッピングを目的とした症例は168例(前頭葉言語野120 [B]、
側頭葉言語野48 [W])で、対照は運動機能が目的の106例 [M]である。術前KPS(平均96.8)と
術後3ヶ月KPS(平均91.0)で機能評価、MRI画像で摘出率評価(平均87.1%)を行い、分散分析
を行った。
【結果】摘出率は、目的とするマッピング部位がM(89.5%)>B(87.1%)>W(82.2%)の順に
(P=0.044)、年齢40歳未満(P=0.011)、組織型I>IV>III>IIの順(P=0.007)に高かっ
た。術後KPSは B(92.3%)W(90.0%)M(90.0%)の結果の順に(有意差なし)、組織型grade
が低い順に(P=0.005)高かった。言語マッピングを目的とした覚醒下手術168例のうち、文法
課題タスクのfMRIを実施し術中言語野を確認した32例中、24例(75%)は術中マッピング部位
と一致(1脳回以内の範囲、1例Wを含む)し、言語野の同定に貢献した。
【結論】言語野マッピングを併用した覚醒下神経膠腫摘出術によって、80%以上摘出とKPS90%
以上の術後機能予後を達成した。文法課題fMRIは新たな言語野の局在同定の方法であり、今後
術中タスクとしての応用を目指す。