ムラガキ ヨシヒロ   Muragaki Yoshihiro
  村垣 善浩
   所属   医学部 医学科(東京女子医科大学病院)
   職種   客員教授
言語種別 日本語
発表タイトル グリオーマ 覚醒下手術 運動野領域の初発神経膠腫17例の検討
会議名 日本脳神経外科学会第67回学術総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 シンポジウム・ワークショップ パネル(公募)
発表者・共同発表者◎河本竹正, 丸山隆志, 村垣善浩, 田中雅彦, 堀智勝
発表年月日 2008/10/02
開催地
(都市, 国名)
岩手県
学会抄録 日本脳神経外科学会総会CD-ROM抄録集 2G-MS07-04 2008
概要 2008-10-2:ミニシンポジウム7 グリオーマ:覚醒下手術
【目的】当施設では2000年3月から術中MRIとナビゲーションシステムを用いた神経膠腫の摘出
術を施行しており、術中のモニタリングとしてほぼ全例にMEPとSEPを施行している。ま
た、eloquent gliomaに対しては覚醒下麻酔により、術中マッピングを行って可及的に摘出を
行っている。現在までに運動野の初発神経膠腫の手術を17症例経験したので、摘出率と術前後
のKPSを評価し、部分摘出となった症例の原因を検討した。【方法】対象は2000年3月から2008
年4月までに手術を行った運動野の初発神経膠腫で男女比は11:6であり、年齢は17-65歳(平
均41.8歳)であった。病変部位の左右差は無く、病理診断の結果はGrade Iが1例、IIが
7例、IIIが7例、IVが2例であった。Grade III以上のmalignant gliomaに対しては後療法とし
て放射線治療(拡大局所 60Gy)と化学療法を行った。【結果】病理診断別の摘出率はそれぞ
れ、100%, 67%, 77%,
100%であり、術前のKPSは全て100%だったが術直後に平均70%まで低下し、リハビリにより術後
2ヶ月目には平均85%まで改善した。現在までに再発症例は2例あり、Grade III以上であっ
た。【考察】術中の迅速病理でlow grade gliomaと診断した症例はKPSを下げないために、術
中マッピングで症状が出たところで摘出を中止したが、GradeIIでも67%程度の摘出は可能であ
った。Grade IIIであっても、下肢運動機能を温存することでKPSを下げずに摘出率を77%まで
上昇させることができた。これまでbiopsyのみで診断していたlow grade gliomaは術中マッピ
ングによって摘出率を上昇させることが可能であり、病変を大きく摘出することで病理診断の
精度を上昇することができると考えられた。